FILM REDにワンピース原作の伏線は描かれていた?赤髪のシャンクスが登場するとあって公開前から注目が集まっていた「フィルムレッド」。今回は、映画に登場したワンピース原作に関わる伏線のみまとめます。ネタバレ注意。
「FILM RED」に描かれたワンピース原作に関わる伏線
「FILM RED」にワンピース原作に関わる伏線はどれだけあったのか。
8月13日に行われた「FILM RED」公開記念舞台挨拶で、ウソップの声優を務める山口勝平さんが以下のように語っていました。
「原作好きな人には、結構後半いろんな仕掛けがしてあるのにどれだけみんな気づくかなっていう。尾田先生とか映画の制作スタッフがいろんな仕掛けをしてるのにどれぐらい皆が気づくだろうっていうのがすごい楽しみで(中略)
もう最終章がこっから始まってるなっていう…結構な秘密が隠れてるんで何回も見てですね、気づいてほしいなと思います。」
山口勝平さんが語っていた「いろんな仕掛け」とは何だったのでしょうか。今回は、「FILM RED」に描かれたワンピース原作に関わる伏線を考察します。
なお、この記事には「ONE PIECE FILM RED」及び入場者特典「ワンピース四十億巻」に関する重大なネタバレが含まれますので、まだ映画をご覧になっていない方はネタバレにご注意ください。
ワンピース103巻SBSにて、尾田先生から指摘のあった「シャンクスに関するある事実」に関しては「FILM RED」のネタバレなしの考察を以下に書いていますので、そちらをご覧ください。
CONTENTS
シャンクスは「ゴッドバレー事件」で拾われた子ども
ワンピース「FILM RED」において明かされた原作に関わる最大の伏線は、シャンクスの出自に関する情報です。これに関してはワンピース原作103巻SBSで尾田先生が仄めかしています。
尾田先生「”娘”なら、なぜシャンクスと一緒にいないの!? 映画本編では”大海賊シャンクス”に関する、ある事実がわかってしまうかも…!!」
その「シャンクスに関する事実」というのが、このサイトでも考察していたように、シャンクスと「ゴッドバレー事件」の関係です。
ゴッドバレー事件とは
38年前にゴッドバレーで起きたロックス海賊団が壊滅の原因となった事件。天竜人と奴隷達を守るため、ガープとロジャーが手を組んでロックスを打ち破った。その後、ゴッドバレーは消滅し、地図にも記されていない。
シャンクスの出自に関しては、ワンピース原作に明確な伏線が描かれていました。光月おでんがロジャーの船に乗った以下のシーンです。
ロジャー「赤ん坊なんて久しぶりだな!! モモの助に日和か!!」
レイリー「昔を思い出すな」
このシーンでロジャーとレイリーが話していた「赤ん坊」がシャンクスだったというわけです。
映画「FILM RED」本編でも描かれていましたが、「FILM RED」入場特典「ワンピース四十億巻」では以下の様に説明されています。
「38年前 ゴッドバレー事件 ロジャーが奪った財宝にまぎれ込んだ赤ん坊(シャンクス1歳)」
ただし、「FILM RED」内で明かされたのは、シャンクスが「ゴッドバレー事件」で拾われた子供であるという情報だけです。
シャンクスの血筋が「天竜人」であるのか、または「ロックス海賊団」側であるのかは判明していません。
しかし、シャンクスの出自に関して、「FILM RED」内にもう一つ伏線ととれるヒントが描かれていました。
「フィガーランド家」とは?シャンクスの血筋に関する伏線
シャンクスが「ゴッドバレー事件」に関わったどの人物の血筋であるかに関する伏線は「FILM RED」内の以下のセリフにヒントがありそうです。
五老星A「やっかいなことに民衆も彼女(ウタ)についている。革命の芽は早めに摘んでおかねば手遅れになる」
五老星B「あの娘がフィガーランド家の血筋でもか?」
このシーンの時点で、ウタはシャンクスの子供であると認識されているので、ここで語られた「フィガーランド家の血筋」とはシャンクスの血筋を指している可能性が高いです。
もしも、「フィガーランド家」がウタの血筋を指しているならば、ウタは「FILM RED」オリジナルのキャラであるので、映画内で「フィガーランド家」の説明がないのは不自然です。
「フィガーランド家」という名前をわざわざ出しているからには、いずれワンピース原作で詳しく描かれると考えられます。
よって、「フィガーランド家の血筋」とはシャンクスを指していると考えられます。
先ほど考察したシャンクスが「ゴッドバレー事件」で拾われた子供であるという情報と併せて考えると、やはり、シャンクスの血筋は天竜人側に関係がありそうです。
五老星は「フィガーランド家の血筋」ならば手を出せないと発言しており、この「フィガーランド家」が奴隷やロックス海賊団に関係する家系とは考えづらいというのが理由です。
いずれ、ワンピース本編でもシャンクスの出自やゴッドバレー事件の詳細が描かれると考えられます。シャンクスの正体については以下の記事にも考察しています。
シャンクス「見聞殺し」の覇王色「ワンピース四十億巻」の情報
シャンクスに関しては、もう一つ考察すべき情報が「ワンピース四十億巻」に描かれています。シャンクスの「覇王色の覇気」についてです。
ワンピース原作において、シャンクスの「覇王色の覇気」の威力はいたるところで強調されてきました。
「FILM RED」内では、シャンクスの戦闘が描かれており、黒い稲妻を纏った攻撃や、覇王色の覇気で海軍を威圧する様子が描かれ、その威力は海軍中将すら膝をつく程です。
ボルサリーノ「中将の一部までもっていくとはねェ…これが”四皇”シャンクスの覇気か」
さらに、「ワンピース四十億巻」では、シャンクスの覇王色の覇気について、以下のような説明が添えられています。
シャンクスの覇王色
- ”見聞殺し”
- 気配のコントロール
- 未来を見せない
「見聞色の覇気」とは、相手の気配を感じる力であり、鍛えれば「少し先の未来」を見ることができるとされています。
ワンピース原作「ホールケーキアイランド編」では、「少し先の未来が見える」という見聞色の覇気を極めたカタクリにルフィが苦戦を強いられました。
しかし、シャンクスは「気配」をコントロールし、見聞色の覇気を無効化する「見聞殺し」を習得していると判明しました。
ただし、シャンクスの「見聞殺し」という設定は「FILM RED」内では明確に描かれていないので、今後、ワンピース原作で詳しく描かれる可能性が高いです。
「FILM RED」で判明した「見聞色の覇気」と視覚共有の能力
「FILM RED」では「覇王色の覇気」だけでなく、「見聞色の覇気」の設定についても新しい情報がありました。
「見聞色の覇気」で登場人物らが視覚の共有をするシーンが描かれたのです。
カタクリ「見聞色の覇気で向こうの世界で妹が見ている景色が一瞬見えた。こいつ(トットムジカ)には あちら側とこちら側の…」
シャンクス「わかっている 見聞色の覇気使いはお前だけじゃない」
同じような能力として、ワンピース原作「ゾウ編」では、モモの助がジャックに襲われたズニーシャと視覚を共有するシーンが描かれています。
「ビブルカード」によると、モモの助は「見聞色の覇気」を使えることが判明しているので、モモの助の特殊な能力にも「見聞色の覇気」が関係しているのかもしれません。
ルフィが海賊王を目指す理由は「新時代を作るため」
「FILM RED」では、主題歌タイトルにもなっている「新時代」が物語の重要なカギを握るテーマとして描かれました。
そして、この「新時代」について、ルフィが以下のような発言をしています。
ウタ「いい加減 分かりなよ 大海賊時代はおしまいだって 何でそんなに海賊王になりたいの?」
ルフィ「新時代を作るためだ」
ルフィの「新時代を作る」という発言は違和感を持ったファンが多くいるようです。
この発言に関すると思われる部分について、「集英社原作メディア担当」の高野さんがインタビューに以下のように答えています。
──映画では、ルフィがこれまで原作で言ってこなかったような発言をしますよね。もちろん映画と原作は別ものではあると思うんですが、尾田先生が総合プロデューサーということで、その発言に少し意味を感じてしまって……。
映画だからと言って、ルフィの人格が原作と変わるっていうことは絶対にないので、あのシーンの発言はやっぱりルフィの考えが言葉になったんだと思いますよ。なので当然、原作でもルフィは同じようなことを思っているんじゃないかと。
集英社の「原作メディア担当」の方が原作と齟齬がないと発言されていることから、やはり、ルフィの「新時代を作る」という発言は、今後、ワンピース原作に関わる発言であると考察しています。
そして、ルフィが「海賊王になりたい理由」とは、海賊王となる夢を叶えた「その先」であるので、「新時代を作る」という発言が「ルフィの夢の果て」に関わっていると考えられます。
「ルフィの夢の果て」と「新時代」については、「ワンピース四十億巻」に描かれたルフィとウタの対比関係から詳しく考察しています。
「FILM RED」で判明した「新時代のマーク」
ルフィの思い描く「新時代」と関連して、「FILM RED」内では「新時代のマーク」というものが描かれました。
「四十億巻」によると、ルフィが考えだした「新時代のマーク」とは、シャンクスの麦わら帽子をひっくり返したものとなっているようです。
これまでにも考察していますが、ルフィの「麦わら帽子」は青色の星の地図を表していると考えられます。
ナミ「その帽子何なの? さっき それ傷つけられて怒ったじゃない! 高いの?」
ルフィ「これはおれの宝物だ!」
ナミ「へぇ宝物…! 中に宝石でも入ってたり……あ! もしかして宝の地図!?」
この考察が正しいとすると、「新時代のマーク」がひっくり返されていることから、「新時代」とは「世界がひっくり返る」ことを意味する可能性があります。
「FILM RED」監督の谷口悟朗さんが、「新時代」という曲名について、以下のようにコメントしています。
「脚本では当初『新世界』という曲名だったんですよ。それを”大航海時代に対する新時代”という形にしたいと尾田さんからの要望もあり、変更しました。」
つまり、「FILM RED」の物語のテーマである「新時代」とはもともと「新世界」の意味であることが分かります。
したがって、ルフィが作った「新世界のマーク」は「新世界のマーク」と言い換えることができ、「新時代」とは世界をひっくり返して「新しい世界を作る」ことであると考察できます。
ワンピース原作において、「世界をひっくり返す」とはロジャーの目的や「ひとつなぎの大秘宝」に関係するワードです。よって、この「新時代のマーク」もいずれ、ワンピース原作に描かれる可能性があります。
「CP-0」と「SWORD」はライバル関係!新たなメンバーも判明
「FILM RED」には「CP-0(サイファーポール”イージス”ゼロ)」と「SWORD」が登場し、新たなメンバーが判明しています。
サイファーポールとは
世界政府の諜報機関であり、政府の指令に様々な機密情報を収集する組織。世界8か所に拠点を置き、「CP1」(サイファーポールNo.1)から「CP8」までの8つの組織がある。さらに、一般市民に知られていない「CP9」、最上級機関である「CP-0」が存在する。
SWORDとは
海軍本部の機密特殊部隊であり、活動内容は不明。ワノ国に隊長ドレークが潜入していた。
このサイトでは「CP-0」の正式名称「サイファーポール”イージス”ゼロ」がギリシャ神話に登場する盾「アイギス」と関係することから、「剣」を意味する「SWORD」と対立関係にあると考察しました。
「FILM RED」入場者特典「四十億巻」の「キャラクター相関図」では明確にライバルであると表記されています。
そして、新しくブルーノ、カリファが「CP-0」、ヘルメッポが「SWORD」のメンバーであると判明しました。
CP-0 | SWORD |
---|---|
ロブ・ルッチ | ドレーク |
スパンダム | コビー |
カク | ヘルメッポ |
ステューシー | |
マハ | |
ブルーノ | |
カリファ |
これら世界政府側の勢力も今後、ワンピース本編に関係してくると考えられます。CP0については、特に「古代兵器プルトン」との関係が深いと考察しています。
特殊科学班「SSG」の正式名称は「Special Science Group」
世界政府側の組織として、「SSG」に関しても「四十億巻」に情報が描かれました。
ウタが「エレジア」の海岸で拾った「特別な電伝虫」には「SSG」と印字されており、不特定多数に念波を発信する機能を持つベガパンクの試作品と説明されています。
これまでワンピース原作で特殊科学班については「SSG」と略されてきましたが、「Special Science Group」と正式に表記されたのは今回が初めてです。
ワンピース原作では「王下七武海制度」が撤廃されたことで、世界政府の海賊への対抗策として、ベガパンクが所属する特殊科学班「SSG」が何らかの「兵器」らしきものを完成させていると仄めかされています。
緑牛「どうだったベガパンクのおっさんは」
藤虎「―えェ見えやしねェんですが すげェモンが完成してやした」
緑牛「ほう…つまり?」
藤虎「”王下七武海”はもう要らねェ………!!!」
ブランニュー「今後はこの『四皇』達に『七武海』という戦力を向けられなくなります!! 毒を抜く事だけが正しい判断だったのかどうかは今後の海軍特殊科学班『SSG』の働き如何」
「SSG」というワードは「FILM RED」内には登場しませんが、特殊科学班「SSG」は今後のワンピース原作に大きく関わる組織であると考えられます。
ロッキーポート事件の因縁?FILM REDで描かれたローとコビ―
「FILM RED」に登場したコビ―は、ワンピース原作同様「ロッキーポート事件」の英雄として有名であることが描かれていました。
観客「あれ コビ―大佐じゃねーか?」
ウタ「有名な人なの?」
観客「ロッキーポート事件で民衆を救ってくれた英雄じゃよ」
ワンピース原作において、「ロッキーポート事件」は首謀者トラファルガー・ローと、コビーが「市民を守った英雄」であるという情報以外は明かされていません。
今回、「FILM RED」で初めてコビ―とローの接触が描かれましたが、2人の間に因縁のような空気は感じられず、コビ―はローを「ローさん」と呼んでいました。
この「ロッキーポート事件」についてもいずれワンピース原作で詳細が明かされると思われます。
「FILM RED」」エンディングに伏線あり?
ここまで、「FILM RED」本編や入場者特典「ワンピース四十億巻」で明かされた情報をまとめてきましたが、「FILM RED」のエンディングにも仕掛けがある可能性があります。
まず、エンディングに「Mr.2ボン・クレー」が登場していました。ワンピース原作では、インペルダウン脱出以降のボンクレーの生死は不明です。ただし、扉絵では「ニューカマーランド」の新女王ボン様が描かれています。
また、ワンピース本編で現状が判明していないボア・ハンコックも描かれていました。しかし、映画がワンピース本編のどの時系列に当たるのかは不明であるので判断しがたいかもしれません。
逆に、同じくレヴェリ―以降の状況が不明であるアラバスタ王国の顔ぶれが登場していなかったという点に関しては何らかの意味がある可能性があります。同じように革命軍サボも登場していません。
「FILM RED」エンディングでは麦わらの一味がこれまで訪れた場所がほぼ網羅されていたので、描かれなかったキャラクターには何らかの意図がある可能性があります。
公開日 | 2022年8月6日(土) |
---|---|
監督 | 谷口悟朗 |
脚本 | 黒岩勉 |
原作 | 尾田栄一郎(総合プロデューサー) |
スタッフ | キャラクターデザイン:佐藤雅将 / 美術監督:加藤浩 / 色彩設計:横山さよ子 / CGディレクター:川崎健太郎 / 撮影監督:江間常高 / 製作担当:吉田智哉 |
以上、「FILM RED」で判明したワンピース原作に関わる情報をまとめました。他にも気づいた点などありましたら、コメント欄に何でも残していってください。
ワンピース「FILM RED」に関する考察は以下にも書いています。興味のある方はことらもどうぞ。
映画の時系列について、
・ビッグマムが麦わらの一味にキレていた→ホールケーキアイランドより後
・ビッグマムが生きている(ワノ国で死んだかは不明だが)
・ジンベエと麦わらの一味が合流している
つまり、この映画の時系列は、ジンベエの登場が設定ミスorワノ国より後ではないか?
ニカが登場しているのでワノ国を出たすぐでは?
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