ラフテル「笑い話」の意味!?ビンクスの酒は巨大な王国滅亡の唄だった…「ラフテル」の綴りが明かされたことで再び注目される「ビンクスの酒」の歌詞に隠された伏線を考察します。ワンピース最終章考察追記。
ビンクスの酒とは何か
ビンクスの酒とは
ビンクスの酒とは昔の海賊が皆歌っていたという海賊なら誰でも知っている有名な曲として、スリラーバーク編で初めて登場した舟歌です。
2009年にはキャラクターソング「ビンクスの酒」としてCD化され、ワンピースを象徴する曲となっています。
作詞 | 尾田栄一郎 |
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作曲 | 田中公平 |
リリース | 2009年3月25日 |
しかし、タイトルに用いられる「ビンクス」の意味が何を指しているかは謎であり、「ラフテル」の由来である「笑い話」という歌詞が含まれることからもワンピースの物語の根幹に関わる伏線があるのではないかとたびたび注目されています。
この記事では、そんな謎の曲「ビンクスの酒」について、以下のように考察しています。
まず、「ビンクスの酒」と「巨大な王国」の繋がりの根拠を示します。
CONTENTS
「ルンバー海賊団」がビンクスの酒と巨大な王国をつなぐ
ルンバー海賊団と巨大な王国
「ビンクスの酒」が初めてワンピース作中に登場したのは「スリラーバーク編」であり、ブルックが所属していたルンバー海賊団の回想と共に描かれています。
この「ルンバー海賊団」は明らかに「巨大な王国」を暗示する海賊団です。
このサイトでは「巨大な王国」とはDの一族の王国であり、「ジョイボーイ」とは代々受け継ぐ王の名であると考察しています。
「ジョイボーイ」の「joy」は「喜び」を表し、ルンバー海賊団の船長「ヨーキ」の名は「陽気」からきていると考えられます。
ルンバー海賊団自体も「泣く子も笑うルンバー海賊団」と名乗っており、「笑い」がテーマである海賊団です。
そして、ジョイボーイ考察では、ジョイボーイの意志が受け継がれ「Dの意志」となったと考察しました。ルンバー海賊団も疫病にかかって離脱したヨーキ船長の意志を継いでいます。
船員「ヨーキ船長……無事に”凪の帯”を抜けたかな」
ブルック「海のみぞ知る事ですね!! 意志を継ぎ…前へ進みましょう!!」
その後、ルンバー海賊団の船員は敵に敗れて全滅する間際、「ビンクスの酒」を歌い、笑いながら死んでいきました。
ブルック「どうしました?………これじゃ四重奏………三重奏 二重奏 独奏…」
この「死に際の笑顔」もまた、明らかに「Dの一族」を想起させる描写です。
さらに、ルンバー海賊団はアイランドクジラ「ラブーン」という仲間がおり、再会の約束をしていますが、「ジョイボーイの約束」と「クジラ」にも何かしらの関係があることが分かっています。
海王類「生まれるよ……!! ぼく達の王が生まれるよ…遠い海でも生まれるね………2人の王がまた出会う日をクジラ達も喜んでいる ぼくらもずーっと待っていた あと少し…今度はきっとうまくいく」
また、ルンバー海賊団の生き残りであるブルックは「ヨミヨミの実」の能力者であり、死亡しても一度だけ蘇生できる「復活人間」です。
Dの一族はロジャーの「おれは死なねェぜ」という発言にも表れているように、「魂」が輪廻していると考察しています。
これら、「ルンバー海賊団」と「巨大な王国」の共通点から、ルンバー海賊団の回想とともに登場した「ビンクスの酒」も巨大な王国に関係する歌である可能性があります。
ビンクスの酒と巨大な王国の滅亡
スリラーバークで「ビンクスの酒」を聞いたロビンは「懐かしい唄」と微笑みました。
ロビン「”ビンクスの酒”………どこかで聴いたと思ったら懐かしい唄…」50巻486話
「ビンクスの酒」は「海賊の歌」であるので、ロビンが過去に所属した海賊団で聞いたのでしょうか。
しかし、ロビンが懐かしいと微笑んでいることから、故郷「オハラ」で聞いた歌であると考えられます。
つまり、「巨大な王国」の存在をつきとめたオハラの考古学者らは「ビンクスの酒」を研究していた可能性があるのです。
「ビンクスの酒」はブルックの回想における「ルンバー海賊団」の全滅とともに描かれました。
その際、ブルックは死を覚悟したルンバー海賊団の最後の歌声をトーンダイアルに録音し、ラブーンに届けると約束しています。
ブルック「死んだ仲間達の生前の唄声…!! 我々は『明るく楽しく旅を終えた』という…ラブーンへのメッセージ」
ここまで見てきたように、「巨大な王国」と「ルンバー海賊団」がリンクするならば、ビンクスの酒は「巨大な王国」が明るく楽しく滅亡していったことを表していると考えられます。
これだけでは、まだ「ビンクスの酒」が「巨大な王国滅亡の唄」であるという信憑性は低いでしょうか。
ここからは、巨大な王国の滅亡について、具体的に「ビンクスの酒」の歌詞を挙げながら考察していきます。
ビンクスの酒の歌詞に巨大な王国滅亡の歴史が描かれている!?
ビンクスの酒の歌詞と「太陽」の伏線
ワンピース50巻488話に載せられた「ビンクスの酒」の歌詞を引用しながら解説します。
1「ビンクスの酒を 届けにゆくよ 海風 気まかせ 波まかせ
潮の向こうで 夕日も騒ぐ 空にゃ 輪をかく鳥の唄」
まず、「ビンクスの酒」1番の歌詞には「夕日」とあり、それ以降の歌詞にも「宵」「月夜」などのワードがあることに注目します。
以前の考察で「巨大な王国」とは「太陽信仰」を持つ王国であったと考察しました。
よって、沈みゆく太陽を意味する「夕日」や「宵」は巨大な王国の終わりを意味します。
ビンクスの酒の歌詞と巨大な王国の滅亡
巨大な王国考察では、王国の形は「ドクロの島」であり、ポーネグリフのあった「ジャヤ」はもともと「巨大な王国」の一部であると考察しています。
そして、王国の名は「夜明け」を意味する「ドーン王国」であるとしました。
この「巨大な王国」の滅亡の歴史が「ビンクスの酒」2-3番の歌詞に描かれていると考えられます。
2「さよなら港 つむぎの里よ ドンと一丁唄お 船出の唄
金波銀波も しぶきにかえて おれ達ゃゆくぞ 海の限り」3「ビンクスの酒を 届けにゆくよ 我ら海賊 海割ってく
波を枕に 寝ぐらは船よ 帆に旗に 蹴立てるはドクロ」
Dの一族考察では現実世界の海賊の起源である「テンプル騎士団」がDの一族のモデルであるとし、最後の総長「ジャック・ド・モレー」の墓に頭蓋骨とクロスした骨が埋まっていたという海賊旗の由来を紹介しています。
だとすれば、ワンピース世界の海賊旗の起源は「ドクロの島」巨大な王国の滅亡で国土を失った人々がドクロを掲げて海賊となったのではないでしょうか。
「ビンクスの酒」2番の歌詞は歴史を紡いだ「ドーン王国」の地に別れを告げ、海賊として船出した人々を表していると考えられます。
そして、3番の歌詞にある「寝ぐらは船」とは「ドクロの島」という国土を失ったことを表し、人々が王国を偲んでドクロの海賊旗を掲げたことを表しているのではないでしょうか。
ビンクスの酒と巨大な王国復興
先ほど、「ビンクスの酒」は明るく楽しく滅亡していった「巨大な王国」を表していると考察しました。
そして、「ビンクスの酒」4-6番の歌詞は巨大な王国が後世の人々に夢を託したことが描かれています。
4「嵐がきたぞ 千里の空に 波がおどるよ ドラムならせ
おくびょう風に 吹かれりゃ最後 明日の朝日が ないじゃなし」5「ビンクスの酒を 届けにゆくよ 今日か明日かと 宵の夢
手をふる影に もう会えないよ 何をくよくよ 明日も月夜」6「ビンクスの酒を 届けにゆくよ ドンと一丁唄お 海の唄
どうせ誰でも いつかはホネよ 果てなし あてなし 笑い話」
「ビンクスの酒」4番の歌詞「嵐がきたぞ」の「嵐」とは「Dの一族」と関係が深い言葉です。
Dの意志考察では「Dはまた嵐を呼ぶ」の意味について、Dの一族が引き起こす「巨大な戦い」と戦いによって訪れる「自由な世界」への夜明けを表しているとしました。
「自由な世界」とは「巨大な王国」がかつて栄えていた時代の世界であり、「夜明け」とは沈んだ太陽が再び昇ることを意味します。
つまり、「ビンクスの酒」の歌詞にある「嵐がきたぞ」とは、巨大な王国復興のための「巨大な戦い」の始まりを表しています。
そして、「明日の朝日」とはまさに「DAWN(夜明け)」であり、ドーン王国の復興を意味します。
巨大な王国の人々は「どうせ誰でもいつかはホネよ」と笑いながら滅んでいったことが伺えます。
人の命とはいつかは消えるもの、死を覚悟した王国の人々は「ビンクスの酒」を届けることで、いつかまた「自由な世界」が訪れるという「宵の夢」を未来に託したと考えられます。
ビンクスの酒はラフテルに届けられた「ひとつなぎの大秘宝」である
ビンクスの酒と「ラフテル」
ここまで、「ビンクスの酒」が巨大な王国滅亡の唄であることを確認してきました。だとすれば、巨大な王国を出港した人々は最終的に「ビンクスの酒」をどこに届けたのでしょうか。
その答えは「ビンクスの酒」の歌詞のラストに描かれていると考えられます。
「どうせ誰でも いつかはホネよ 果てなし あてなし 笑い話」
ワンピース967話で「ラフテル」とは「Laugh Tale(笑い話)」を意味し、ロジャーが名付けたことが明かされました。
ロジャー「なァみんな 800年誰も行きつけなかったこの『最後の島』に こんな名前を付けねェか? “ラフテル(Laugh Tale)”と 」 96巻967話
よって、「笑い話」という歌詞から、最後の島ラフテルに「ビンクスの酒」が届けられていると考えられます。
ちなみに、グランドラインで麦わらの一味が最初に訪れた島は、酒造が盛んなの町「ウイスキーピーク」でした。よって、最後の島「ラフテル」もまた「酒」に関係する可能性があります。
ビンクスの酒と「ひとつなぎの大秘宝」
このサイトでは「ひとつなぎの大秘宝」は3つあり、その1つがラフテルにある「ビンクスの酒」であると考察しています。
酒は「人と人を繋げる」まさに「人繋ぎの大秘宝」であるからです。
詳しくは「ひとつなぎの大秘宝考察」に書いていますが、「ラフテル」と「ひとつなぎの大秘宝」に関係するストーリーには必ず「酒」が描かれています。
「ビンクスの酒」と「巨大な宴」
それでは、「ビンクスの酒」は何のためにラフテルに届けられたのでしょうか。
そのヒントは「ビンクスの酒」CDのブックレットに掲載された「ビンクスの酒」の原案にありそうです。
「ヨホホホ ビンクスの酒を届けに行くよ さよなら港よ つむぎの里よ 食って飲んで寝て食って
ヨホホホ 届けに行くよ 今日も寝ぐらは海の上 夜明けのドラムが聞こえる頃に ビンクスの酒を届けるよ」
この製作途中の歌詞から「ビンクスの酒」とは「夜明け」が起こるときに必要となる酒であることがわかります。
先ほど、「夜明け」とは「自由な世界の夜明け」であり、「巨大な王国の復興」を意味するとしました。
「ルフィの夢の果て考察」ではルフィは「巨大な戦い」で「自由な世界」を実現して「海賊王」となったあと、最後の島ラフテルにたどり着き、「巨大な宴」をすると考察しています。
その「宴」とは、「巨大な戦い」で共闘したあらゆる種族が本当の仲間となる宴です。
だとすると、「夜明けのドラム」とは、「自由な世界の夜明け」に開かれる「巨大な宴の始まりのドラム」なのではないでしょうか。
巨大な王国の最後の王ジョイボーイらは「あらゆる種族」が仲間となるための宴を開くために、ラフテルに大量の酒を届けたと考えられます。
滅亡の淵にあっても「巨大な宴」を夢見て死んでいったジョイボーイと滅亡さえも笑いながら迎えた彼らの最後を知ったロジャー海賊団は、ラフテルに残された「大量の酒」を目の前に、涙が出るほど笑ったのではないでしょうか。
光月おでん「本当にあった“莫大な宝”を前に…ロジャーはあの時……笑ってた おれ達もそうだ 涙が出る程笑った』
ロジャー「ジョイボーイ おれは……!! お前と同じ時代に生まれたかった とんでもねェ宝を残しやがって…!!! とんだ笑い話だ!! 」
そして、ロジャーは「ビンクスの酒」の歌詞にちなんで最後の島に「笑い話」と名付けたと考えられます。
「ビンクスの酒」と宝
「ビンクスの酒」はルンバー海賊団の回想に描かれましたが、「ビンクスの酒」の歌詞の初登場はスリラーバーク編の始まりである46巻442話です。
この話では「流し樽」という酒にまつわる話が描かれています。
ルフィ「タル!? 見ろ!! “宝”って書いてあるぞ!!! もしかして!!『宝船』の落とし物じゃねェか!?」
チョッパー&ウソップ「お宝!?」
ナミ「残念 お酒と保存食よ(中略)波にもまれたお酒は格別に美味しいんだって」
このシーンは「ビンクスの酒」と「宝」を結ぶ伏線であると考えられます。
ラフテル考察では、ラフテルは「ロードスター島」の片割れであり、「浮島」であると考察しています。「ラフテル」に関係する「ビンクスの酒」が登場したスリラーバーク自体も船に乗って漂う島でした。
よって、ラフテルに酒が届けられていたとしたら、その酒は800年間波にもまれた酒であり、「格別に美味しい酒」なのではないでしょうか。
そして、この「流し樽」はある扉絵シリーズに再び登場しています。そのストーリーとはまさに「夜明け」に開かれる「巨大な宴」を表しているのですが、その扉絵シリーズについては次回考察します。
追記:太陽の神ニカと「解放のドラム」
ここでは、「ビンクスの酒」の歌詞に登場する「ドラム」について、原案「夜明けのドラムが聞こえる頃に」という一文から「自由な世界の夜明け」に開かれる「巨大な宴の始まりのドラム」であると考察しました。
ワンピース1043話にて、新たに「解放のドラム」というワードが登場しました。
ズニーシャ「”解放のドラム”が聞こえる 800年振りに聞く……!! 間違いない そこにいるぞ」
(「解放のドラム」ドンドットット♪)
モモの助「誰がでござる!?」
ズニーシャ「ジョイボーイが…!! 帰ってきた!!!」
ルフィ「にかっ」
「自由な世界の夜明け」とは支配からの解放を意味するので、「夜明けのドラム」=「解放のドラム」として矛盾はありません。
そして、この「解放のドラム」がジョイボーイに関係することから、やはり、「ビンクスの酒」が巨大な王国に関係することが濃厚になったと言えます。
この考察に関係する「ラフテル」「ひとつなぎの大秘宝」「巨大な宴」については以下の記事をご覧ください。
この考察「ラフテル考察」及び「巨大な王国考察」を再編集した考察です。
(現在編集中)
一つなぎ→人繋ぎはアリエル♀️
ビンクスの酒は泣ける
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