ワンピースの物語に「太陽」の伏線あり。巨大な王国に描かれた太陽のイメージとは。古代王国が信仰する「太陽の神」と巨大な王国の関係からワンピースにおける「太陽」の伏線を考察します。
1分でわかる!ワンピースにおける「太陽」と「太陽の神」信仰
この記事では、ワンピースにおける「太陽」と「太陽の神」について以下のように考察しています。
ワンピースにおける「太陽」の意味
- ワンピースにおいて「太陽」は「支配からの解放」の象徴である
- 古い文明に「太陽の神」の信仰が残っている
- 巨大な王国は「太陽の神」への信仰を持っていた
- 「太陽の神」と「Dの一族」「ジョイボーイ」には密接な関係がある
- 巨大な王国側の勢力は「太陽」だけでなく「龍」とも関係が深い。
ワンピース本編には「太陽」に関する多くの伏線が張られており、魚人海賊団「タイヨウの海賊団」のように「太陽」は「支配からの解放」の象徴として描かれています。
また、古い国々には「太陽の神」に対する信仰が残っており、それらの国にポーネグリフが残されていることから、かつて栄えたとされる「巨大な王国」が「太陽の神」を崇めていたと考察しました。
また、「Dの一族」「ジョイボーイ」に「太陽」のイメージが描かれていることから、これらは密接な関係にあると考察しています。
ワンピース1018話「太陽の神ニカ」について
伝説の戦士「太陽の神ニカ」とは
ワンピース1018話で「太陽の神」に関する情報が新たに描かれました。
フーズ・フー「太古の昔に…奴隷達が いつか自分達を救ってくれると信じた伝説の戦士だそうだ!! 太陽の神『ニカ』!!! 実在したのか妄想か…人を笑わせ 苦悩から解放してくれる戦士」
フーズ・フーによると、「太陽の神ニカ」とは、太古の昔に奴隷を救うとされた伝説の戦士であり、人々を笑わせることで苦悩から解放してくれるという戦士です。
ここで考察したように「奴隷解放」と「太陽」のイメージの根幹となるのが「太陽の神ニカ」であると考えられます。
この記事では、「太陽の神ニカ」登場以前に描かれているワンピース世界における「太陽の神」信仰について考察しています。
CONTENTS
ワンピースにおける「世界の夜明け」と「太陽」
「世界の夜明け」とは
ワンピースの物語においては「月」が注目されることが多いですが、「太陽」もまた重要な意味を持っています。特にゾウ編以降「夜明け」という言葉がピックアップされ、その重要さが強調されています。
ペドロ「“麦わらの一味”は我が故郷を救ってくれた恩人達 重ねて……いずれ世界を”夜明け”へと導く者達だとおれは信じる!!! あガラらはやがてお前達を超え世界を変える!!!」
ペドロのセリフから「世界の夜明け」とは現在の世界を変えることだと解釈でき、Dの一族モンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味が「世界を夜明けへと導く者達」であると言います。
「世界の夜明け」とは「Dの意志」「ジョイボーイ」とも密接に関係すると考察していますが、今回は「夜明け」とともに訪れる「太陽」について、ワンピースの物語のいたるところに描かれる「太陽」の伏線を追いながら、ワンピース世界の「太陽の神」信仰について考察します。
ワンピースに描かれた「太陽」の伏線
タイヨウの海賊団と奴隷解放の象徴
ワンピースにおいて、「太陽」といえば、魚人島編で描かれた「タイヨウの海賊団」が思い浮かびます。
「タイヨウの海賊団」とは
15年前にフィッシャー・タイガーが起こした「聖地マリージョア襲撃事件」の際、解放された奴隷とタイガーの元に集結した魚人達が結成した海賊団。
タイヨウの海賊団のシンボルである「太陽」は、天竜人の奴隷の烙印「天駆ける竜の蹄」と呼ばれる天竜人の紋章を覆い隠す目的で刻印されたものでした。
ハンコック「まるで呪いをかき消す様に…みなの体に刻まれた…天竜人の紋章を太陽のシンボルに変えて!!!」
つまり、「太陽」のシンボルは「天竜人による支配からの解放」を象徴していると言えます。
また、「タイヨウ」は魚人・人魚族にとっての憧れであり、オトヒメ王妃の「タイヨウの下へ」という言葉もまた、支配され差別されてきた歴史からの解放を意味します。
よって、タイヨウの海賊団の「太陽」は「支配からの解放」の象徴として描かれていると考えられます。
スリラーバーク編の「夜明け」と「太陽」
ワンピース本編において「太陽」が印象的に描かれたストーリーと言えば、スリラーバーク編です。
ゲッコー・モリア
悪魔の実「カゲカゲの実」の能力者であり、「影」を支配して自在に操ることができる。
「夜明け」とともに「カゲカゲの実」の能力者ゲッコー・モリアの支配下にあった「影」が解放され、「影」を取られた者達が自由になり、朝日が解放の象徴として描かれました。
このように、ワンピースにおいて「太陽」とは「支配からの解放」の象徴としての意味を持ちます。
追記:「太陽の神ニカ」と奴隷解放
ワンピース1018話にて、太古の昔に奴隷達が信じた伝説の戦士「太陽の神ニカ」に関する情報が描かれました。ワンピースの物語に描かれる「太陽」と「奴隷解放」のイメージは、この「太陽の神ニカ」の伝説からきているものと考えられます。
だだし、「太陽の神ニカ」に関する情報を話した人物が消されるなど、「知るだけでマズイ」とされることから、「太陽の神ニカ」とは一般の人々が知り得る名前ではないようです。
しかし、ワンピース世界には特に古くから存在する国において、「太陽の神ニカ」への信仰が残っています。
さらに、ワンピース世界の過去にも「太陽」に関する伏線が描かれています。
旧ワンピース世界の信仰に「太陽の神」の伏線あり
古代都市シャンドラと「太陽の神」
空島編に登場した古代都市シャンドラでは「太陽の神」を崇めていました。
ムース「なぜ泣くの? ……ママ これから私は太陽の神に迎えられるのよ」
シャンディア「太陽の神………雨の神………森の神………大地の神よ…この娘の血と引きかえに…村をお救い下さい」
古代都市シャンドラはアニミズム信仰を持っていました。「神は月に存在する」とし、一神教的な神として君臨したゴッド・エネルとは対象的に「太陽の神」という言葉が登場しています。
空島編ではルフィがゴッド・エネルの天敵として描かれましたが、「Dの一族」が天竜人の天敵であるとすると、以下のような関係が成り立ちます。
Dの一族天敵天竜人
そして、ポーネグリフを守っていた古代都市シャンドラは、かつて栄えたとされる「巨大な王国」側の勢力であると考えられることから、「太陽の神」は「巨大な王国」側の信仰であったのではないでしょうか。
太陽の神???
この「巨大な王国」と「太陽の神」の関係については、次の章で考察します。
エルバフと「太陽の神」
「太陽の神」については、巨人族の国「エルバフ」にも描かれています。
カルメル「太陽の神が全てを治めたのよ」
これは、マザー・カルメルが「ソルソルの実」の能力で「パンドラ」を作り出した際のセリフです。エルバフに暮らす人々は太陽に感謝するという信仰を持っていました。
カルメル「冬至祭は『太陽』の”死と復活”のお祭りよ 苦しい冬を越えて太陽もまた私達を暖かく照らしてくれるの」
ここでの「太陽の死と復活」とは、「夜明け」とも繋がるセリフです。
古代都市「シャンドラ」と「エルバフ」では、「太陽の神」という言葉と太陽への信仰が明確に示されていますが、その他の国にも「太陽」のイメージが描かれています。
古い王国に「太陽」のシンボル
世界会議へ向かうアラバスタ王国の船の帆にも太陽のシンボルが描かれています。船を見送る国民の手にも同じマークがあることから、この太陽のマークは国旗のような位置付けであると考えられます。また、太陽のマークは24巻217話イガラムの持つ扇子にも描かれています。
さらに、同じ太陽のマークがワノ国光月家の家紋にも描かれています。
「光月家」とは「月」に関する名前ですが、「月の光」とは太陽の光であるので、光月家には「太陽」も関係するのかもしれません。
その他、魚人島のリュウグウ王国の門にも「太陽」が描かれています。これらは何を意味するのでしょうか。
ここまでに取り上げたエルバフ以外の王国、「古代都市シャンドラ」「アラバスタ王国」「ワノ国」「リュウグウ王国」にはいずれもポーネグリフがありました。
だとすれば、「太陽」のシンボルと太陽の神への信仰は、ポーネグリフを残した「巨大な王国」と関係するのではないでしょうか。考えられるのは「巨大な王国」が太陽の神への信仰を持っていたという可能性です。
以下、「巨大な王国」と「太陽の神」について考えてみます。
「巨大な王国」と太陽の神への信仰を考える
巨大な王国とDの一族ジョイボーイ
これまでの考察では、「Dの一族」とは「巨大な王国」の思想を受け継ぐ者であるとし、「ジョイボーイ」もまた巨大な王国の関係者であるとしてきました。
「Dの意志」と「巨大な王国」について、詳しくは以下に考察しています。
「巨大な王国」の思想についてはワンピース本編に明確に描かれておらず、「太陽の神」に関する信仰を持っていたかは不明ですが、「Dの一族」および「ジョイボーイ」が「太陽」と関係するならば、巨大な王国が「太陽の神」への信仰を持っていた可能性が高くなります。
そこで、「Dの一族」「ジョイボーイ」と「太陽」の関係について、それぞれ見ていきましょう。
Dの意志と「太陽」
Dの意志考察では「D」とは「DAWN=夜明け」の意味であるとし、「支配のない自由な世界を作る意志」であるとしました。
「D」の意味が「夜明け」であるならば、夜明けに訪れる「太陽」は「D」と密接な関係にあると言えます。
また、先ほどワンピースにおける「太陽」は支配からの解放の象徴であるとしたので、Dの思想とは「太陽」が象徴するイメージと同じであると考えられます。
これまで、「D」と「月」の関係に注目し、Dは「半月」を表しているとしてきましたが、「D」の意味を「DAWN」とするならば、夜明けと共に水平線に現れる「朝日」を表している可能性もあります。
太陽の伏線は「ジョイボーイ」と「麦わらのルフィ」にも
800年前に実在したジョイボーイと「太陽」
「ジョイボーイ」については、以下に詳しく考察していますが、「800年前に実在したジョイボーイ」と「未来に現れるジョイボーイ」の2つを考える必要があります。
空白の100年に果たされなかった「ジョイボーイの約束」とは、「リュウグウ王国を地上へ移し、魚人・人魚族が人間と共存する世界を作ること」であったと考察しています。
ジョイボーイとの約束「リュウグウ王国の移住」を王妃オトヒメは「タイヨウの下へ」と表現していました。太陽の神への信仰とまではいきませんが、魚人・人魚族の太陽への憧れが現れています。
また、「魚人・人魚族と人間との共存」とは、先ほども見た通り、支配され差別されてきた歴史からの解放を意味します。この部分も冒頭で見た「太陽」のイメージです。
よって、「800年前に実在したジョイボーイ」は「太陽」に関係すると言ってよいでしょう。
「未来に訪れるジョイボーイ」ルフィと「太陽」
「未来に訪れるジョイボーイ」については、その正体を麦わらのルフィであるとしました。
「未来に訪れるジョイボーイ」とは「世界の夜明けを起こす者」と同一であるとしているので、「夜明け」=「太陽」のイメージを持ちます。
また、モンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味の船は「サウザンドサニー号」です。この名前は「過酷なる『千の海』を『太陽』の様に陽気に越えていく」という意味でアイスバーグが命名しました。ここにも「太陽」のキーワードがあります。
そして、ルフィは太陽が昇る東の海「ドーン島」より出航し、イメージカラーは「赤」、イメージの花は「ひまわり」…と太陽のイメージの多い人物です。
さらに、ルフィの麦わら帽子も「太陽」のイメージを持っています。「麦わら帽子」については、800年前に実在したジョイボーイとも共通すると考察しているので、やはり、「ジョイボーイ」は「太陽」と関係していると考えられます。
したがって、「巨大な王国」に関係する「Dの一族」と「ジョイボーイ」に太陽に関係する伏線が見られること、巨大な王国と関係していたと考えられる国と「太陽の神」との関係から、「巨大な王国」は「太陽の神」への信仰を持っていたと考えます。
巨大な王国の太陽信仰と「龍」のシンボル
古代兵器と「龍」
ここまで、「巨大な王国」と「太陽」の関係を見てきましたが、これらの国には「龍」のイメージも描かれています。
まず、アラバスタの王家の墓には「龍」のレリーフがありました。さらに、アラバスタ王国のあるバーナ宮殿の大浴場にも2匹の「龍」が描かれています。
この「東洋の龍」は魚人島のリュウグウ城にもあります。
ちなみに、これらの龍の像は古代兵器の在り処と関係すると考察しています。
「太陽信仰」と「龍」
さらに、「太陽の神」を信仰していたシャンドラの片割れ「アッパーヤード」が描かれた空島の地図にも謎の「龍」が描かれています。
同じく「太陽の神」への信仰があったエルバフの船も東洋の龍のイメージです。
「太陽」のシンボルを持つ光月家が治めたワノ国には、かつて龍がいたとされています。
現支配者のカイドウも「龍」、光月家の跡取りモモの助も「龍」です。
よって、巨大な王国側の勢力は「太陽」だけでなく「龍」とも関係が深いと考えられます。
国名・地名 | ポーネグリフ | 太陽の伏線 | 龍の伏線 |
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シャンドラ | ● | ● | ● |
エルバフ | ? | ● | ● |
ワノ国 | ● | ● | ● |
リュウグウ王国 | ● | ● | ● |
アラバスタ王国 | ● | ● | ● |
「太陽信仰」に関して新しい考察があります。
ワンピース1018話では「太陽の神ニカ」というワードが登場しています。詳しくは以下に考察しています。
「太陽の神」というと、「天空神ウーラノス」が由来であると考えられる「古代兵器ウラヌス」との関係も気になります。
このサイトでは、「ジョイボーイ」=「麦わらのルフィ」=「古代兵器ウラヌス」としていますが、詳しい考察は以下をご覧ください。
Dの側が月神、イムの側が太陽神なのでは?
Dに月と太陽だと盛り込みすぎ
ルフィの麦わら帽子は太陽を避けるという意味だよ
でも…魚人島ですでに【ニカ】ってゆう名前のキャラ出てますよね…
Dの一族じゃない????
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