【考察】マリージョアの国宝と古代兵器プルトン&「麦わら帽子」の関係とは?

トラファルガー・ロー

ドレスローザ編でのドフラミンゴのセリフで明らかとなった「マリージョアの国宝」の存在。「存在自体が世界を揺るがす」とされる国宝の正体についてワンピース76巻761話の描写を元に古代兵器プルトン及びオペオペの実との関係を考察する。

追記「マリージョアの国宝」と冷凍保存された「麦わら帽子」

マリージョアの国宝と「麦わら帽子」

「マリージョアの国宝」に関して、新しい情報が出てきました。インペルダウンに収容されたドフラミンゴが「マリージョアの国宝」について話題にしています。

ドフラミンゴ「来たのか?”上から”刺客が おれがマリージョアの秘密の「宝」の事を誰にもバラさねェ様に!! 口封じの殺し屋を送り込んで来たか!? フッフッフッフッ!! もうバレてもいいだろ…権力は足が早い すぐに腐っちまうモンさ…!!!」ワンピース90巻906話

この発言の直後、マリージョア内部にルフィの手配書を持った男が登場し、冷凍保存された巨大な麦わら帽子が描かれました。

この冷凍保存された麦わら帽子が「マリージョアの国宝」に関係するのでしょうか。

今のとろ、麦わら帽子が冷凍保存されている理由はわかりませんが、直前のドフラミンゴのセリフに「権力は足が早い すぐに腐っちまうモンさ」とあるので、「マリージョアの国宝」は冷凍保存でないと腐るもの、もしかしたら、この部分がオペオペの実の「不老手術」と関係してくるのかもしれません。

「権力」というのも、「利用することで世界の実権を握ることができる」とされる「マリージョアの国宝」のキーワードです。

「マリージョアの国宝」と906話SBS

さらに、ドフラミンゴのセリフが描かれたワンピース90巻906話のSBSには、「帽子」に関する質問が載せられています。

D(読者):ルフィがカタクリを倒した時に帽子で口元を隠してあげていますね! 2人ともカックよかったです!! 僕も道ばたで寝ている尾田さんをみかけたら、”漢の証”を帽子でそっと隠してあげようと思いました!!ワンピース90巻906話

このSBSの「帽子」は、「マリージョアの国宝」に関係しているのではないでしょうか。帽子で何かを隠すという部分、意味深に思えます。

さらにこのSBS、1つ前の質問ではカメラマン”炎のアタッチャン”の「キャップ」について書かれています。「キャップ」もまた「帽子」に関するワードです。

これらは偶然なのでしょうか。何か思いつく方がいましたらコメント欄まで。

「マリージョアの国宝」の正体とは

ドフラミンゴの切り札「マリージョアの国宝」

まず、ドレスローザ編で描かれた「マリージョアの国宝」に関するドフラミンゴの発言を振り返っておく。

マリージョアの国宝

尾田 栄一郎「ONE PIECE」76巻761話/集英社

ドフラミンゴ「おれが”聖地マリージョア”内部にある重大な「国宝」の事を知っているからだ!! それは存在自体が世界を揺るがす(中略)ー更にお前の”オペオペの実”の能力があの日おれの手中に入っていたら…マリージョアの「国宝」を利用し おれは世界の実権さえも握れていた!!!」

ロー「……………!?」

ドフラミンゴ「それ程利用価値のある能力なんだ!!『人格の移植手術』も然り…もう一つ…お前は知っているのか…!!?”オペオペの実”は才気ある者が使用すれば…古来よりの人類の夢さえも叶う”究極の悪魔の実”と呼ぶ者も少なくない」

ロー「ーああ知ってるさ…おれは興味がねェがな…!!この能力の最上の技は……人に”永遠の命”を与える『不老手術』!!!ーだがそれをやれば能力者当人は命を失う」
ワンピース76巻761話

聖地マリージョアの「国宝」の正体を考察する前提として、上のセリフと前後の描写から分かる「国宝」の情報をまとめる。

「マリージョアの国宝」とは

  • 国宝はマリージョア内部に存在する
  • 国宝の存在自体が世界を揺るがすものである
  • 天竜人にとってマリージョアの国宝とは「最悪のカード」である
  • マリージョアの国宝を利用するにはオペオペの実の能力による不老手術が必要である
  • 利用することで世界の実権を握ることができる

以上が「マリージョアの国宝」に関する情報である。

「存在自体が世界を揺るがす」という表現から、「世界を滅ぼせるほどの力」とされる3つの古代兵器「プルトン」「ウラヌス」「ポセイドン」を連想させる。

そのうち、古代兵器プルトンに関しては「世界を揺るがし破滅させる」ほどの軍事力であるとフランキーが表現しており(39巻375話)、その直後に「存在する事は罪にならねェ!!!」というセリフがあることから、「存在自体が世界を揺るがす」というマリージョアの国宝に関係していると考えられる。

今回は、マリージョアの国宝とは古代兵器プルトンに関係するものであると仮定して、その正体を考察する。

「マリージョアの国宝」とアラバスタ国王コブラ

「マリージョアの国宝」と古代兵器プルトンの在り処

「マリージョアの国宝」に関して、ドフラミンゴが発した以下のセリフに注目したい。

ドフラミンゴ「お前の”オペオペの実”の能力が あの日おれの手中に入っていたら…マリージョアの”国宝”を利用し おれは世界の実権さえも握れていた!!!(省略:オペオペの実についての説明)」
ロー「ああ知ってるさ…おれは興味ねェがな…!!」
ワンピース76巻761話

実は、この会話に非常によく似たやり取りがドレスローザ以前のストーリーに登場している。それが以下である。

コブラ「クロコダイルにそれを教えていれば…あの時点で国は あの男のものになっていた 違うか?」
ロビン「興味がないの………国や人間が死のうが…生きようが…」
ワンピース24巻218話

これは、アラバスタ王国にて交わされたコブラとロビンの会話であり、コブラの言う「それ」とは「古代兵器プルトンに関するの情報とその在り処」である。よって、2つの会話の構造を並べてみると以下のようになる。

時:あの時点 条件:プルトンの情報獲得
プルトンを利用アラバスタの実権を握ることが可能に

時:あの日 条件:オペオペの実獲得
マリージョアの国宝を利用世界の実権を握ることが可能に

このように、ドフラミンゴのセリフをコブラのセリフと重ねることによって古代兵器「プルトン」と「国宝」とが対応していることが分かる。このことから、マリージョアの国宝の正体が古代兵器プルトンに関係すると考えられる。

「マリージョアの国宝」と古代兵器プルトンの設計図の在り処

「マリージョアの国宝」と古代兵器プルトンの設計図

「マリージョアの国宝」が古代兵器プルトンに関係するという根拠はこれだけではない。「マリージョアの国宝」という言葉が登場した76巻761話には、さらに古代兵器プルトンに関する描写が多数存在するのである。

先に挙げたコブラのセリフは「古代兵器プルトンの在り処」に関する発言の直後であった。同じように、第2回プルトン編ウォーター・セブンで登場した「プルトンの設計図の在り処」に注目する。

その「古代兵器プルトンの設計図の在り処」はどこであったか。最初に登場したのは「トムズ ワーカーズ本社」であった。その後、エニエス・ロビーにてフランキーが所持していたことが判明した。このトムズ ワーカーズ本社とフランキーに関する描写を見ていこう。

元トムズワーカーズ本社と「マリージョアの国宝」

元トムズワーカーズ本社のあった場所はウォーターセブンの橋の下倉庫であり、その倉庫があったのは廃船島の前である。廃船島というだけあって倉庫の前には船の残骸が散乱している。

一方、「マリージョアの国宝」登場回に初めて描かれたドンキホーテファミリーの拠点は北の海「スパイダーマイルズ」のゴミ処理場倉庫であり、やはりここにもが描かれ、倉庫の周りにはコラソンがローを突き落としたゴミの山が描かれている。

このように、2つの場所には「橋」「ゴミ」「倉庫」という共通点が見られ、「マリージョアの国宝」が登場した761話に、プルトンの設計図があった「元トムズワーカーズ本社」が暗示されている。

フランキーと「聖地マリージョアの国宝」

さらに、「マリージョアの国宝」が登場した761話には、プルトンの設計図を所持していたフランキーを暗示する描写もある。

ベビー5「コラさん紅茶です熱いです」
コラソン「…………ズズ…ブバッ(お茶を吹いて椅子ごと倒れる)」
ワンピース76巻761話

ワンピース761話は「マリージョアの国宝」発言の他に、コラソンが初登場した回でもある。熱いお茶を飲んで椅子ごと倒れるコラソン。このシーンに見覚えはないだろうか。やはり、ウォーターセブンの橋の下倉庫でのワンシーンである。

キウイ「アニキお茶をどうぞだわいな ちょっと熱いわいな」(中略)
フランキー「ズズ…ブーッ!!ぶ熱ァッちいな!!!(お茶を吹いて椅子ごと倒れる)」ワンピース37巻350話

椅子ごと倒れるシーンだけでなく、お茶を出す妹分のセリフ、お茶を啜るコマまでも完全に一致しいている。

よって、このコラソン登場のシーンはウォーターセブンにおけるフランキーと意図的に重ねて描かれていると言って良いだろう。

つまり、「マリージョアの国宝」登場回である761話には、アラバスタ編における「プルトンの在り処」に関するコブラのセリフに加え、ウォーターセブン編での「プルトン設計図の在り処」を連想させる2つの描写が描かれているのである。

マリージョアの国宝」発言のあった761話

  • プルトンの在り処に関するセリフと対応するセリフ
  • プルトンの設計図の在り処「トムズワーカーズ」と共通の描写
  • プルトンの設計図を所持していたフランキーの暗示

このことから、「マリージョアの国宝」が古代兵器プルトンに関係していると考えられるのである。

「マリージョアの国宝」とオペオペの実の能力「不老手術」

「マリージョアの国宝」と「オペオペの実」の関係

最後に、マリージョアの国宝について、オペオペの実との関連を考察する。「国宝」に関するドフラミンゴのセリフをもう一度引用する。

ドフラミンゴ「お前の”オペオペの実”の能力が あの日おれの手中に入っていたら…マリージョアの”国宝”を利用し おれは世界の実権さえも握れていた!!!」

このセリフから、マリージョアの国宝「プルトン」を利用するには「オペオペの実」の能力が必要であることがわかる。具体的には、直後に描かれた人に永遠の命を与えるとされる「不老手術」である。

それでは、「マリージョアの国宝」と「不老手術」とはどのような関係があるのだろうか

魚人島「国宝」エネルギーステロイドと「不老手術」

実は、ドレスローザ以前にも「国宝」と「不老手術」とに関係するエピソードが登場している。それが、聖地マリージョア直下に位置する魚人島での以下のシーンである。

魚人島編終盤の66巻650話にて、老化したホーディーの一味が描かれている。この老化は「エネルギーステロイド」を使用したことによる副作用であるのだが、「エネルギーステロイド」とは「国宝」と呼ばれる伝説の丸薬であるという。つまり、ホーディーの一味は「国宝を使用したことで老化した」のである。

同じように、マリージョアの国宝も使用することで老化するのであれば、マリージョアの国宝を利用するため「不老手術」が必要であるというドフラミンゴのセリフと合致する。

そもそも、レッドラインを挟んで正反対に位置する場所に存在するこの2つの「国宝」は明らかに重ねて描かれている。

パンゲア城:不老に関する「国宝」
 ↕︎ レッドライン
リュウグウ城:老化に関する「国宝」

ちなみに、この魚人島の「国宝」が登場した650話とは、3つの古代兵器の名が明かされた回であり、やはりここでも古代兵器と国宝の関係がうかがえるのである。

さらに、国宝「エネルギーステロイド」に関するネプチューンの説明が以下である。

国宝と言うには異な物…おそらくは……危険な効力を「封印」する意味で固く守られてきた凶薬だったのじゃろう…ワンピース66巻650話

この説明をマリージョアの国宝=古代兵器に置き換えると、古代兵器はその危険な力を封印するために「国宝」として聖地マリージョア内部にて固く守られているということになり、古代兵器が「国宝」と呼ばれる理由まで説明できるのである。

アラバスタ「豪水」とマリージョアの国宝

上の魚人島編はポセイドン編であるが、プルトン編アラバスタにも国宝「エネルギーステロイド」と似た物が登場している。アラバスタ王国護衛団「ツメゲリ部隊」が飲んだ「豪水」である。

チャカ「やつら…”一時の力”を得る為に 命を削る水を…”豪水”を飲んでいる」
ワンピース22巻196話

「一時の力を得る為に命を削る」という表現が、国宝「エネルギーステロイド」と似ており、古代兵器プルトンに関する描写として描かれていると考えられる。

コメント欄にて「マリージョアの国宝」に関する考察の要望をたくさんいただいたので、現時点で考えられる範囲で考察しました。古代兵器プルトンそのものがマリージョアにある場合に生じる矛盾点(例えばCP9・五老星の言動、アラバスタに存在するというクロコダイルの発言など)の説明や具体的な古代兵器プルトンの正体については別記事にて考察の予定です。疑問などありましたらコメント欄にお願いします。

「マリージョアの国宝」に関して新しい考察があります。

【ワンピース】在り処はアラバスタじゃない!!?古代兵器プルトンとコブラの発言の矛盾とは?
古代兵器プルトンは本当にアラバスタ王国にあるのか?国王コブラの発言から古代兵器プルトンがアラバスタ以外に存在する可能性を考察します。

コメント

  1. 匿名

    そもそも古代兵器そのものが世界を揺るがす物として描写されてるので=プルトンと考えちゃうのはどうかと思う。

  2. 匿名

    宇宙船は関係ないでしょうか。
    まとまった考察は出来ていませんが、相対性理論で宇宙船に乗る(光速になる)と時間が遅くなることを浦島効果と呼びますし、老化や、行く行くは月に行くこと、月に行ったエネルが雷である(=光速で移動できる)ことなどから、何かしら相対性理論に関わるストーリー展開はありそうな気がします。

  3. 5394

    天竜人が宇宙服の様なものを着ているのも、マリージョアに宇宙船がある伏線の様に思います。
    ただ不可解なのが、相対性理論の浦島効果を考えると、宇宙船に乗る人はむしろ老化が遅くなるんですよね。
    もしかすると、相対性理論の「重力が強いほど時間が遅くなる(←→重力が弱いほど時間が早くなる)」の方が関係するのかも…?
    とすると、竹取物語で月が関係しそうなワノ国、そのうち到達するであろうマリージョアでは、重力を操るイッショウが重要なポジションになりそうな気もします。
    シャボンティ諸島編とマリージョア編が関係しそうなことからも(シャボンティ諸島編では空気よりも軽いシャボン玉で空を飛んだが、マリージョア編では重力を弱くして空を飛んで月に行く?)、あながち大外れじゃない気がします。

  4. 5394

    度々すみません、思いついた先からコメントしていて…
    相対性理論といえばアインシュタイン、アインシュタインといえばベガパンク。
    ベガパンクはウラシマ効果の技術(速度によって時間を遅くできる)術を持ってるのでは。「500年先の技術を発明する」のも、地頭の良さに加え、時間を遅くしてゆっくり研究開発している?
    ベガパンクの部下の戦桃丸と黄猿(光速で移動できる)の関係性が意味有りげである事も気になります。
    宇宙、速度、重力、老化、いろいろなことが絡まってそうな予感。
    粗い考察ですみませんが、管理人さんならこの考察を上手に料理してくれるはず…

  5. 匿名

    マリージョアの国宝=プルトン説支持なのですが906話の麦わら帽子の件よかったら追記お願いします

  6. いつも考察を楽しく読ませて頂いております。

    こちらの麦わら帽子に関する記事を読んで、ふと麦わら帽子の起源が気になりました。wikiを読んだところ、下記の文章が目にとどまったのでご紹介させてください。

    【麦わら帽子は中世後から欧州およびアジアにおいて夏季に着用されており、中世から今日に至るまでほとんど変化していない。『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』の著名な暦の縮小版で全ての階級の男性によって着用されている様が多数描かれているのを見ることができる。】

    「ほとんど変化してない」、そして「全ての階級の男性によって着用されている」とあります。つまり麦わら帽子は、恒久的に差別がない世界へのシンボルなのかなと感じました。
    尾田先生がどのような意図でルフィに被せたのかは分かりませんが、ワンピースの考察ではあまり見かけない要素だったので投稿してみました。