今回取り挙げるのはワンピース59巻576話に描かれた扉絵の伏線です。扉絵に示されたヒント「隠喩」という観点から「巨大な戦い」について、「Dはまた必ず嵐を呼ぶ」という伏線と絡めて考察します。*この考察はDの意志考察から抜粋して加筆したものです。
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ワンピース59巻576話の扉絵に伏線あり
頂上戦争終盤、白ひげの最期の言葉が描かれた59巻576話の扉絵が意味深です。
扉絵に描かれた麦わらの一味3人のTシャツの文字に注目してみましょう。
- フランキー「METAL」
- ブルック「メタボ」
- ロビン「…taph…」
3人のうち、ロビンのTシャツの文字のみ一部隠れていますが、上の2人の文字から考えれば、その文字は「meta」の接頭辞をプラスして「metaph…」となります。そこから考えられる単語は「metaphor=隠喩」です。
つまり、この扉絵は576話に「何かしらの隠喩」が隠されているということを表す伏線であると考えられます。
ワンピース59巻576話に描かれた「隠喩」とは何を指すのでしょうか。
さらに扉絵を見てみると、フランキーの背負う道具類に「5」「3」の数字が描かれています。そして、59巻のちょうど53ページ目を見てみると、そこには白ひげが「巨大な戦い」について語るシーンが描かれています。
つまり、扉絵に描かれた「隠喩」というヒントから、576話(59巻53ページ)で描かれた白ひげの発言に隠喩があり、真の意味が隠されているのではないでしょうか。
576話に描かれた「巨大な戦い」と扉絵の伏線
扉絵が示すワンピース59巻53ページ目には、頂上戦争終盤、瀕死の白ひげが死に際に語った「巨大な戦い」に関するセリフが描かれています。
白ひげ「“血縁”を絶てど あいつらの炎が消える事はねェ そうやって遠い昔から脈々と受け継がれてきた そして未来…いつの日か その数百年分の”歴史”を全て背負ってこの世界に戦いを挑む者が現れる
センゴク…お前達「世界政府」はいつか来る…その世界中を巻き込む程の”巨大な戦い”を恐れている
興味はねェが…あの宝を誰かが見つけた時 世界はひっくり返るのさ…!! 誰かが見つけ出す その日は必ず来る… “ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”は実在する」
白ひげのセリフを要約すると、Dの一族が「歴史」を背負って、いずれ世界中を巻き込む「巨大な戦い」を起こすと言います。
「巨大な戦い」とは
- Dの一族が引き起こす戦いである
- 数百年分の歴史と関係する
- 世界政府が恐れる「世界中を巻き込む程の戦い」である
- 「ひとつなぎの大秘宝」の発見に関係する
白ひげは「巨大な戦い」を世界政府が恐れていると発言しましたが、「巨大な戦い」とは一体何なのでしょうか。
扉絵の伏線のヒント「隠喩」という観点から考えてみましょう。
「巨大な戦い」とは「巨大な嵐」を意味する
「戦争」に関する隠喩表現
ワンピースにおいて、戦いや戦争を「嵐」と呼ぶ表現がよく使われています。
例えば、これまでワンピース本編に描かれた中で最も巨大な戦いである「頂上戦争」について、女ヶ島の先々々代皇帝グロリオーサは以下のような隠喩でその戦いの規模を表現しています。
グロリオーサ「この”戦争”がいかなる規模のものか…わかって言うのじゃな? 嵐の中にアリが一匹飛び込むも同じ事…!!」
グロリオーサ「『インペルダウン』『海軍本部』…!!! 巨大な嵐の中核に飛び込んだアリ一匹…!!!命を持って帰還するとは いよいよもって神の所業…」
つまり、「頂上戦争」という巨大な戦いは「巨大な嵐」という隠喩で表されていたということになります。
だとすれば、白ひげの発言「巨大な戦い」も「巨大な嵐」と言い換えることができるのではないでしょうか。
「ドレスローザ編」と「巨大な戦い編」
白ひげが「巨大な戦い」について言及した「頂上戦争編」とリンクする「ドレスローザ編」は、いずれ描かれる「巨大な戦い編」ともリンクすると考察しています。
パンクハザードでトラファルガー・ローは、頂上戦争は「序章」に過ぎなかったと発言しました。さらに、SAD製造装置を破壊したことで新世界の「歯車」を壊し、「うねりと共に新時代がやってくる」とドフラミンゴのセリフを引用しています。
そして、続くドレスローザ編の始まりには次のようなナレーションがつけられています。
「街を壊す大きな『高波』も 始まりは―人知れず打ち立つ『さざ波』にすぎない」
ここでの「さざ波」は歯車が狂い始めた世界を表しており、パンクハザード編からドレスローザ編を経て、やがて世界を破壊する「高波」が来ることが示されています。まさに「巨大な嵐」です。
この「さざ波」を起こしたのは「Dの一族」であるルフィとローです。
キャベンディッシュ「この戦い…ドフラミンゴを倒せたとしても…世界に大きな波紋を呼ぶぞ キミ達は”台風の目”になる」
やはり、ここでも「嵐」に関係する「台風」という表現が使われています。
そして、実際にドフラミンゴを倒し、「台風の目」となったルフィらの戦いは「ワノ国」へと移り、世界を巻き込む「巨大な戦い」へと発展していきます。
ドレスローザ→巨大な戦い
さざ波→高波
ここにも、「巨大な戦い」と「巨大な嵐」の関係が示されています。
「Dはまた必ず嵐を呼ぶ」とは巨大な戦いを表している
この考察の冒頭で引用した白ひげの発言に「巨大な戦い」を起こすのは「Dの一族」であるとありますが、「Dの一族」について元天竜人であるコラソンによる以下の情報は非常に重要です。
コラソン「『”D”はまた必ず嵐を呼ぶ』…!!!」
この言葉は元々はマリージョアの老人達の言葉ですが、Dの一族の行動について、白ひげのセリフとコラソンのセリフを並べると以下のようになります。
コラソン:Dは嵐を呼ぶ
この2人の発言が「Dの一族」の同じ行動を指しているとすれば、「巨大な戦い」=「嵐」となり、ここまでの考察と同じく「巨大な戦い」とは「嵐」であるということになります。
また、コラソンはDの目的を「世界の破壊」とも発言しているので、Dの起こす嵐は「世界を破壊する程の嵐」=「世界を破壊する災害」と言い換えることができそうです。
先ほど見たように、ルフィらが起こした「さざ波」が「街を壊す大きな高波」となるとは、この「世界を破壊する程の災害」を表しているのではないでしょうか。
Dが起こす世界を破壊するほどの「巨大な嵐」とは何を意味するか
巨大な戦いは「街を壊す大きな高波」となるとしましたが、「巨大な戦い編」とリンクすると見られる「頂上戦争編」も始まりは白ひげの「グラグラの実」の能力によって起こった「津波」した。
そして、その力をセンゴクは「世界を滅ぼす力」と表現しました。
「頂上戦争編」と「巨大な戦い編」がリンクしているとすれば、巨大な戦いも「世界を滅ぼす力」によって起こると考えられます。
つまり、「世界を滅ぼす程の威力を持つ」とされる「古代兵器」がついに使用されるのではないでしょうか。
白ひげは「巨大な戦い」を世界政府が恐れていると発言しましたが、もう一つ世界政府が恐れているものがあります。オハラの考古学者クローバー博士が空白の100年について語ったセリフに登場する「巨大な王国の存在と思想」です。
「巨大な王国」の思想は「ポーネグリフ」に示されているとされました。しかし、これまでに判明しているポーネグリフの情報は古代兵器の情報であるので、世界政府は古代兵器による行動を恐れていると考えられます。
政府が恐れるもの= 巨大な王国の思想 = ポーネグリフの内容 =古代兵器の情報
白ひげの発言:
政府が恐れるもの= 世界を滅ぼす巨大な戦い =巨大な嵐
よって、「世界政府が恐れるもの」という観点からも「巨大な嵐」は古代兵器によって起こされると導き出せます。
まとめ:「巨大な戦い」とは「巨大な嵐」の隠喩表現である
ここまで、「巨大な戦い」の意味について、ワンピース本編に初めて「巨大な戦い」という言葉が登場した576話の扉絵とワンピース本編に描かれた伏線から、以下のように考察しました。
- 「巨大な戦い」とは「巨大な嵐」の隠喩表現である。
- 「巨大な嵐」とは世界を巻き込む規模へと発展している「Dの一族」が起こす「世界を滅ぼす程の嵐」である。
- 「巨大な嵐」は古代兵器による世界の破壊とともに引き起こされる世界規模の「巨大な災害」である。
「巨大な戦い」については、以下に詳しく考察しています。
この考察はDの意志考察の一部を抜粋したものです。