前回、古代兵器ウラヌス考察の流れをまとめ、新たに「太陽の神ニカ」の情報を追加しました。ここでは、「古代兵器編の法則」から、ウラヌスの伏線をまとめ、前回までに考察したウラヌスの正体について検証します。
CONTENTS
古代兵器の伏線の傾向とウラヌスの正体
古代兵器の伏線の法則
魚人島編にて「古代兵器ポセイドン」の正体が「海王類と話せる人魚」であることが判明しました。

ポセイドンとは
数百年に一度生まれる海王類の王であり、海王類と話せる能力を持つ人魚である。海王類を動かすことで、多くの命を救うことができるが、悪意を持てば世界を海に沈めてしまえる程の力でもある。
これにより、古代兵器の名前の由来となる神話の神と古代兵器の関係は「支配領域」と関係する程度であり、神話の内容との関係は薄いと考えられます。よって、それぞれの古代兵器を以下のように考察しています。
古代兵器 | 対応する神 | 領域 | 兵器が操るもの |
---|---|---|---|
ポセイドン | 海神ポセイドン | 海 | 海王類 |
プルトン | 冥府神プルートー | 冥界 | 悪魔 |
ウラヌス | 天空神ウーラノス | 天空 | 天候 |
また、古代兵器ポセイドンの正体判明により、「古代兵器の伏線の傾向」が明らかになりました。
古代兵器の伏線の傾向
- 古代兵器の名前登場話周辺に他の古代兵器の伏線あり
- 古代兵器編には他の「兵器の正体そのもの」が登場する
- 伏線は本編だけでなく扉絵やそでにも描かれる
今回はこの「古代兵器の伏線の傾向」と前回までに考察した古代兵器ウラヌスの正体とを照らし合わせ、古代兵器ウラヌスの伏線をまとめます。
前回までの古代兵器ウラヌスの正体考察
- 古代兵器ウラヌスの正体とはルフィの「覇王色の覇気」に関係する「人を引きつける」能力である。
- 古代兵器ウラヌスの用途とは「支配と差別のない自由な世界」へ民衆を導くことである。
- 空白の100年における古代兵器ウラヌスは「ジョイボーイ」であった。
- ゴムゴムの実の覚醒者「太陽の神ニカ」が古代兵器ウラヌスとなる。
- 古代兵器ウラヌスとなったルフィは「太陽の神ニカ」の能力により天候を操る。
これまでの古代兵器ウラヌスに関する考察の流れは、以下の記事に「太陽の神ニカ」に関する根拠を追加して考察しています。


古代兵器プルトンの名が登場した周辺にウラヌスの伏線あり
プルトン登場話周辺の伏線
まず、ワンピース本編に「古代兵器」という名が初めて登場したアラバスタ編192話周辺の扉絵には、ポセイドンの伏線である「人魚」や「海王類」が描かれていました。

このことから、同じく192話周辺には古代兵器ウラヌスのヒントも描かれていたと考えられます。
それにあたるのがタイトルに含まれる「天候を操る」というワードです。
登場話 | プルトン | ポセイドン | ウラヌス |
---|---|---|---|
190話 | 扉絵:三叉の矛 | タイトル:天候棒 | |
191話 | 扉絵:海王類 | タイトル:天候を操る女 | |
192話 | 「プルトン」の名登場 | 扉絵:海王類 | タイトル:旋風注意報 |
193話 | 「プルトン」の名登場 | ||
195話 | 扉絵:人魚 | 扉絵:ヒトデ |
扉絵にはポセイドンが操る「海王類」が描かれているので、アラバスタの時点でウラヌスの「天候」を操る能力が示されていたと考えられます。
「ヒトデ」のパッパグとウラヌス
ちなみに、はっちゃんの扉絵に「人魚」とセットで描かれた「ヒトデ」のパッパグも古代兵器ウラヌスを暗示するキャラクターであると考えます。

パッパグ本人が「ヒトデは足りてるよ」とギャグにもしているように、ヒトデとは「人手」=「民衆の力」を表します。
さらに、パッパグは「人気」のデザイナーであり、ブランド「クリミナル」は「犯人=ホシ」が由来であるとされています(SBS)。そして、星型のパッパグの「星(スター)」は「人気者」の意味も持ちます。
エニエス・ロビー編に古代兵器ウラヌスが登場していた
古代兵器編の伏線
再び「古代兵器プルトン」の名が登場したウォーターセブン編では、扉絵ではなく本編に「ポセイドン」の正体、能力、用途に一致するキャラクターが描かれています。
元トムズワーカーズのメンバーである人魚のココロです。人魚姫しらほしとココロには、「人魚」という共通点だけでなく、様々な一致が見られます。

人魚姫しらほしは海王類と話せますが、人魚のココロはエニエス・ロビーへ向かう海列車の中でカエルの「ヨコヅナ」と会話して周囲を驚かせました。
さらに、エニエス・ロビーでは溺れる麦わらの一味の命を救っており、これはポセイドンの「幾千もの命を救う力」と対応します。
だとすれば、W7&エニエス・ロビー編にはウラヌスを暗示するものも描かれていたはずです。
エニエス・ロビーとウラヌスの伏線
W7&エニエス・ロビー編のタイトルにそのヒントがありそうです。
W7&エニエス・ロビー編には「〇〇伝説」というタイトルが3つ登場します。うち2つにはプルトンとポセイドンの正体である「船」と「人魚」が含まれることから、残る「英雄伝説」がウラヌスを指していると考えられます。
タイトル | 対応する古代兵器 |
---|---|
「人魚伝説」 | 古代兵器ポセイドンを暗示 |
「伝説の船大工」 | 古代兵器プルトンを暗示 |
「英雄伝説」 | 古代兵器ウラヌスを暗示 |
古代兵器ウラヌスの正体は「英雄」「ヒーロー」であるとしているので、これまでの考察とも矛盾しません。
そして、「英雄伝説」で真の英雄として描かれたのが「そげキング」です。419話では古代兵器ウラヌスのキーワードである「天からの光」も描かれており、その姿はアーロン編でナミを解放した際のルフィと似ています。

この419話でウソップは「解放の鍵」と呼ばれたロビンの海楼石の錠の鍵を全て届け、ロビン解放における重要な役割を果たしました。
そげキングのお面は「太陽」のような形をしており、解放の戦士である「太陽の神ニカ」を暗示していたと考えられます。実際にドレスローザ編ではウソップは「ゴッド・ウソップ」と呼ばれ、奴隷たちを解放するのですが、この部分については前回考察で書いています。

空島編とウラヌスの伏線
古代兵器ポセイドンの名が登場した空島編でのウラヌスの暗示は「天候を操る神」として君臨した「ゴッド・エネル」です。

前回考察ではルフィとエネルの関係を以下のように対応するキャラクターであるとしました。
神・エネルとルフィ
- 「支配」と「自由」
- 「雷」と「ゴム」
- 「ゴロゴロ(5656)の実」と「ゴムゴム(5656)の実」
- 「偽りの神」と「真の神」
そして、「偽りの神」を破り空島の人々を解放したのがルフィです。
さらに、古代兵器プルトン考察では空島編で描かれた「方舟マクシム」が古代兵器プルトンを暗示するものであると考察しています。
エピソード | プルトン | ポセイドン | ウラヌス |
---|---|---|---|
空島編 | 方舟マクシム | ポーネグリフに在り処 | ゴッド・エネル |
エニエス・ロビー編 | プルトンの設計図 | 人魚のココロ | そげキング |

ウラヌスの伏線は名前が登場した話の周辺にあり
ヒトヒトの実とウラヌスの伏線
ワンピース1043話にて、「ゴムゴムの実」の本当の名が「ヒトヒトの実幻獣種モデル”ニカ”」であることが確定しました。
五老星「”ゴムゴムの実”のもう一つの名は………ゾオン系『ヒトヒトの実』幻獣種…モデル”ニカ”
その体はゴムそのものの性質を持ち 空想のままに戦い……人々を笑顔にしたという”解放の戦士”またの名を”太陽の神ニカ”」
この実を覚醒させたことにより、ルフィは「太陽の神ニカ」の能力を手にしたことになります。
ルフィの能力が「ヒトヒトの実」である伏線としても引用しましたが、古代兵器ウラヌスの名が登場した66巻650話には「ヒトヒトの実」というワードが登場しています。
ジンベエ「噂によると 奴ら今”能力者狩り”に奮起しとる-どういう訳か”能力者”を殺し その”能力”を奪い取る術を奴らは持っておるんじゃ…!! 黒ひげ達の狙いは より強い『悪魔の実の能力』……!! 気をつけろ…」
チョッパー「やべェおれ!!」
ウソップ「『ヒトヒトの実』はいらねェだろ…」
このことから、古代兵器ウラヌスの正体が「ヒトヒトの実モデルニカ」の能力を持つルフィであるという根拠が追加されたと言えます。
さらに、前回までの考察では650話の扉絵トンジットが「ウラヌス」とその孫にあたる「ポセイドン」「ハデス」を表していると考察しています。

トンジットとは「ロングリングロングランド」の住人ですが、この島の動物は「ゴムゴムの実」の能力者のように長く伸びた身体を持っていました。
さらに、650話が収録されたコミックス66巻のそで部分には「気分屋」と書かれたコック帽をかぶるルフィが描かれており、ルフィの「覇王色」を表しています。

ルフィの覇王色とウラヌスを繋ぐ伏線
コミックスそでにウラヌスの伏線
古代兵器編ではありませんが、ルフィの覇王色の覇気が初めて「覇気」として認識された53巻のコミックスそでに「ルフィの覇王色」と「神」を繋ぐ尾田先生のコメントがあります。
「ちょっと前すいませーん」とか満員のエレベーターや電車で「すいません、降りまーす」とか言う時にその人がとるあの”構え”!! “ゴッド拳”と名付けよう。アレは古く中国に伝わる気功の一種だと考えられる。ゴッド拳をかざされた人々は その手から迸る“気”の力に仰け反り、人ゴミはやがて、モーゼに割られた荒海の如く、光差す道を造る…。
人が仰け反る「気」=「ゴッド拳」とは、明らかに覇王色の覇気を指しています。
さらに、神の命令に従って民を導いた救世主的存在であるモーゼの名が登場しており、古代兵器ウラヌスの正体であるとした「太陽の神ニカの化身」=「救世主ジョイボーイ」を指していると考えます。
53巻のタイトルは「王の資質」であり、ウーラノスとは「全宇宙を最初に統べた神々の王」とされるので古代兵器ウラノスのイメージとも重なります。
ちなみに、「神」「救世主」と関係するコメントは50巻のそでにもあります。
「あれ……? あなた……もしかして……神様じゃないですか?」「…イエス。」ハイ50巻始まるよー!!
この50巻はルフィがスリラーバークに「夜明け」をもたらし、モリアの支配から人々を解放した巻です。
ルフィの覇王色とウラヌス
「覇気」とは明確にされていませんが、ルフィが初めて「覇王色の覇気」を使用したのは51巻495話です。「トビウオライダーズ」との戦いでデュバルの乗るバイソン「モトバロ」と対したルフィは、無意識に「覇王色の覇気」を使用しました。

そして、この495話でもう一つ初登場したものがあります。それが、麦わらの一味の船「サニー号」の最終兵器「ガオン砲」です。
このサイトではフランキーがサニー号の「ガオン砲」を改良して古代兵器プルトンの抵抗勢力を作るとしています。
よって、この495話には3つの古代兵器に関係すると考察している「人魚」「ルフィの覇王色」「ガオン砲」が描かれていることになります。
以上、古代兵器編に描かれた古代兵器ウラヌスの伏線をまとめました。
次回は古代兵器ウラヌスの正体が描かれた3つの扉絵シリーズを考察します。