ホールケーキアイランド編で新しい形の悪魔の実の伝達・継承が描かれました。「ソルソルの実」の能力者であったマザーカルメルを食べたビッグマムにその能力が移ったのです。ソルソルの実はどのようにビッグマムのものとなったのでしょうか。扉絵に描かれたキャベンディッシュの伏線から考察します。

1分で分かる!カルメルを食べたビッグマムとソルソルの実の継承

ここでは、カルメルからビッグマムへの「ソルソルの実」の能力継承について、以下のように考察しています。

ソルソルの実考察のポイント

  1. ビッグマムへのソルソルの実の能力伝達は「二重人格」が関係する。
  2. ソルソルの実の能力はマザーカルメルの魂ごとビッグマムの体に宿っている

ビッグマムの過去編が描かれた際、扉絵にキャベンディッシュの過去が描かれており、マムとの共通点が多いことからマムの能力継承のヒントはキャベンディッシュの二重人格にあるとしました。

特にソルソルの実の能力使用時のマムの瞳と「ハーフ&ハーフ」状態のキャベンディッシュの瞳が似ていることから、「別人格」が現れる際にマムがソルソルの実の能力を使用していると考察しました。

その「別人格」の正体とは、ビッグマムが過去に誤って食べてしまったマザーカルメルの魂であると結論づけています。

悪魔の実考察:ビッグマムのソルソルの実
ビッグマムとソルソルの実の継承

この考察の詳しい根拠は以下に書いています。

マザー・カルメルからビッグマムへ?ソルソルの実の伝達の謎

マザー・カルメル事件とソルソルの実

ワンピース86巻866話にてビッグマムの過去が描かれ、新しい形の悪魔の実の伝達が描かれました。

誤ってマザー・カルメルを食べてしまったビッグマムにマザーカルメルの持っていた「ソルソルの実」の能力が引き継がれたというシーンです。

ソルソルの実の能力者シャーロット・リンリン(ビッグマム)

ビッグ・マムとは

ビッグ・マムことシャーロット・リンリンは四皇の一人「ビッグ・マム海賊団」船長であり、「トットランド」の女王。超人系悪魔の実「ソルソルの実」の能力で人の魂(ソウル)を操ることができる。他人から魂(寿命)を奪い、無機物や動植物に入れることで擬人化させることができる。

このソルソルの実の能力はどのようにしてビッグマムの能力となったのかを考察します。

扉絵にヒントあり!ビッグマムとキャベンディッシュの共通点の意味は?

ビッグマムの過去とキャベンディッシュの扉絵

謎だらけのビッグマム回想編ですが、ソルソルの実伝達の伏線は扉絵に描かれていたと考えます。

ビッグ・マムの過去が描かれた866話と867話には、ちょうど扉絵シリーズ「押し掛け麦わら大船団物語」としてキャベンディッシュの過去が描かれていました。

この「キャベンディッシュ」と「ビッグマム」の過去にはいくつか共通点があります。

そして、この共通点こそがソルソルの実伝達のポイントであると考えます。

866話によるとビッグマムは5歳のときに故郷で起こした事件によって国外追放となりました。一方、キャベンディッシュもまた、867話扉絵で「人気ありすぎの罪」で国外追放されたとあります。

本編ビッグマムの過去国外追放
扉絵キャベンディシュの過去国外追放

この2人の共通点は何を表しているのでしょうか。

ビッグマムと二重人格

キャベンディッシュといえば「ハクバ」という別人格を持つ人物です。

夢遊病によって凶悪な別人格「ハクバ」が現れた後、キャベンディッシュは眠ってしまうのですが、5歳のビッグマムもまた「食いわずらい」と見られる癇癪を起こして意識を失った後、倒れて眠ってしまうという共通のシーンも描かれていました。

この「食い患い」と「別人格」がソルソルの実伝達と大きく関わるという伏線をキャベンディッシュの扉絵が表していると考えます。

ビッグマムが二重人格であるというヒントは他にもホールケーキアイランド編に登場した娘のプリンの別人格やマザー・カルメル自身の裏表のある性格に現れていますが、この部分は後述します。

この章の考察ポイント

ビッグマムへのソルソルの実の能力伝達は「二重人格」が関係する。

ソルソルの実と「ハーフ&ハーフ」のビッグマム

ソルソルの実を使ったビッグマムの攻撃

ここで、ビッグマムの「ソルソルの実」について振り返っておきましょう。

ソルソルの実とは人の魂(ソウル)を操ることができる能力です。

ソルソルの実の能力

  • 他人から魂(寿命)を奪う
  • 魂を無機物や動植物に入れて、擬人化させる
  • 自分の魂を具現化した「化身」を操る

そんなソルソルの実の能力者ビッグマムですが、実はソルソルの実の能力を使用した攻撃はほとんどありません。唯一使用した「ライフ オア 〇〇」と問いかけて寿命を抜き取る「魂への言葉(ソウル・ポーカス)」も使用したシーンが描かれたのは3回のみです。

  • 「Life or Treat !?」(83巻829話)
  • 「Life or Wedding Cake !?」(86巻863話)
  • 「Stay or Life !?」(86巻863話)

イトイトの実の能力者ドフラミンゴやガスガスの実の能力者シーザーなどが能力を駆使して戦ったのと比べると、ビッグマムについてはソルソルの実の能力を使った攻撃が極端に少ないことがわかります。

そこで、ビッグマムがソルソルの実の能力を使用したシーンを詳しく見ていきましょう。

ソルソルの実の能力とビッグマムの目

最初にビッグマムが「ソウル・ポーカス」を使用したのは、クロカンブッシュの「食いわずらい」の最中、息子「シャーロット・モスカート」の寿命を取るシーンでした。

その際、ビッグマムの目に注目すると、目の中に四重の円が描かれています。

次に使用した「Life or Wedding Cake !?」「Life or Treat !? 」はお茶会の最中、ビッグマムは「食いわずらい」と同じように混乱と怒りで我を忘れている状態であり、瞳には三重の円が描かれています。

  • Life or Treat !? :四重の円
  • Life or Wedding Cake !?:三重の円
  • Stay or Life !?:三重の円

さらにその後、オペラが寿命を奪われた際には「ソウル・ポーカス」を使用したシーンは描かれていませんが、やはりビッグマムは食いわずらいによって我を忘れている状態でした(87巻873話)。

このことから、ビッグマムの意識が薄れている際にソルソルの実の能力を使用していると考えられます。

それでは、瞳に描かれた三重または四重の円は何を表しているのでしょうか。先ほど見たキャベンディッシュが再びヒントを与えてくれます。

「ハーフ&ハーフ」とソルソルの実

ビッグマムの三重の瞳と似ている表現といえば、キャベンディッシュの「ハーフ&ハーフ」です。マムがソルソルの実の能力を使用する際と同じく、瞳が三重の円になっています。

尾田 栄一郎「ONE PIECE」77巻773話/集英社

さらに、ビッグマムの過去編の少し前には、二重人格である娘のプリンにもキャベンディッシュの「ハーフ&ハーフ」を思わせるコマが描かれています。

尾田 栄一郎「ONE PIECE」86巻861話/集英社

ちなみに、最初にビッグマムがソルソルの実の能力を発動したシーンでも、息子のシャーロット・モスカートの髪の色が「ハーフ&ハーフ」を連想させるような絵となっています。

キャベンディッシュの「ハーフ&ハーフ」とは、別人格ハクバの能力を残しながら制御できる状態です。

つまり、ビッグマムがソルソルの実の能力を使うとき、2つ目の人格が強くなる「ハーフ&ハーフ」の状態であると考えられます。

キャベンディッシュのハーフ&ハーフ

キャベンディッシュ別人格ハクバハクバの能力

ソルソルの実使用時のビッグマム

ビッグマム別人格別人格のソルソルの能力

つまり、ビッグマムのソルソルの実の能力は別人格の側が持っていると考えられます。

この章の考察まとめ

ソルソルの実の能力はビッグマムの中の別人格が持っている能力である。

それでは、ビッグマムの2つ目の人格とは何でしょうか。

ビッグマムの中にマザーカルメルが生きていいる

過去の「優しいビッグマム」

ビッグマムの中にあるもう一つの人格を考えるには、ビッグマムの過去編が重要です。

エルバフで過ごした5歳のビッグマムは、現在の姿からは想像できない優しい心を持っていました。

リンリン「ケンカはよくないから仲良くさせなきゃって思って おれきのう同じオリに入れてあげたのよ! そしたら熊さんったらオオカミさんを食べちゃったの 悪い子だからおれ熊さんをたたいたんだ!!」

マザー・カルメル「…熊さん反省中みたいね 何回たたいたの?」

リンリン「いっかいだけよ」

マザー・カルメル(即死……)「ふたりをお友達にしてあげたかったのね リンリンはとっても優しい子ね」

引用:ワンピース86巻866話

5歳のビッグマムは方法は間違っているものの博愛主義的な優しい心を持つ子どもでした。しかし、現在のビッグマムの性格は真逆と言っていいほど残虐さが際立っています。

ビッグマムの中にカルメルの人格

ビッグマムの性格の変化はどこからきたのでしょうか。

それこそが「ソルソルの実」の能力を持つマザー・カルメルの人格だと考えられます。

マザー・カルメルは表向きは聖母として慕われていましたが、正体は優れた素質を持つ孤児を高値で政府に売りつける孤児売りを営んでいました。

現在のビッグマムは5歳のリンリンが持っていた子供っぽさとお菓子への執着、そこにマザーカルメルの非情さが共存した状態であるといえます。

つまり、マザー・カルメルの魂がビッグマム の中に生きていて、ビッグマムの性格に影響を及ぼしているということです。

悪魔の実考察:ビッグマムのソルソルの実
ビッグマムとソルソルの実の継承

悪魔の実考察で見たように、悪魔の実の能力が魂に宿ると考えると、ソルソルの実の能力はマザーカルメルの人格(魂)ごとビッグマムの体に宿っていると考えられます。

そして、現在のビッグマムの意識が薄れるハーフ&ハーフの状態となってソルソルの実の能力を使用することができると考えられます。

悪魔の実の能力者を食べれば能力を得られる?

ビッグマムの体にマザーカルメルの魂が宿っているとして、悪魔の実の能力者を食べれば、その能力を奪うことができるのでしょうか。

ビッグマムはマザーカルメルを食べたことによってカルメルの魂を体に取り込んだと思われますが、「ソルソルの実」の能力を持つカルメルだからこそできたと考えられます。

ヨミヨミの能力者ブルックと同じように、実体が失われて黄泉の国に行くべき魂をソルソルの実の能力で操り、ビッグマムの体に宿ったといったところでしょう。

この章の考察ポイント

ソルソルの実の能力はマザーカルメルの魂ごとビッグマムの体に宿っている

追記:ビッグマムはルフィの味方になる?ソルソルの実の能力は?

ビッグマムの記憶喪失

ワノ国編でビッグ・マムが一時記憶喪失に陥りました。その際、マムから邪悪な人格が失われ、5歳の頃のような優しいマムに戻りました。

ビッグ・マムが記憶喪失の間、ソルソルの実の能力は一度も使用されず、マムの魂が与えられた二角帽「ナポレオン」も眠っていました。

上での考察が正しいとすると、「ソルソルの実」の宿る邪悪な「カルメルの魂」が海に落ちたことで抑えられたと考えて良さそうです。

だとすれば、かねてより噂される「ビッグマム味方になる説」もいよいよ現実味を帯びてきます。ここでは、「ソルソルの実」との関係から考察してみます。

結論から言ってしまうと、この先、ビッグ・マムから「カルメルの魂」が完全に失われたならば、ビッグ・マムがルフィに協力する可能性は大いにあると考えられます。

なぜなら、ビッグ・マムは「ルフィと同じ夢」を持っているからです。

ビッグマムとルフィの夢

ビッグ・マムの夢についてはホールケーキアイランド編で数カ所に描かれていました。

ぺコムズ「それこそがママの夢なのさ!! 世界中の全種族が差別なく暮らせる国……!!! いや…この世の全てだ!!!」

引用:ワンピース82巻827話

ビッグ・マム「おれの夢は……!! 世界中のあらゆる人種が『家族』となり 同じ目線で食卓を囲む事…!!!」

引用:ワンピース83巻834話

しかし、これらの「ビッグマムの夢」は「言葉」だけで中身が伴っていませんでした。

おそらく、マザー・カルメルの慈悲深い側面しか知らないビッグ・マムが、マザーの教えから影響を受けて持った「からっぽの夢」であると考えます。

トットランドと同じようにマザーカルメルの「羊の家」には、巨人族、手長族、魚人族など種族を問わず様々な孤児たちが暮らしていたことを考えても、マムの夢はカルメルと過ごした幼少期の記憶から生まれたものと考えてよいでしょう。

「ひとつなぎの大秘宝」考察シリーズでは、これこそが「ひとつなぎの大秘宝の正体」であるとしています。

ひとつなぎの大秘宝支配と差別のない自由な世界

そして、その実現こそが「ルフィの夢の果て」であり、「Dの意志」であると考察しています。

ルフィの夢の果て考察

ワンピース最終章であ描かれるとされる「巨大な戦い」に際し、ルフィは世界中の全種族を巻き込んで共闘し、戦いの後に全種族を巻き込む「巨大な宴」をひらくことで種族間の差別をなくし、支配と差別のない「真に自由な世界」を作り、最も自由な王様となる
誰もが驚くルフィの夢の果て!!ただの宴じゃないロジャーのあの言葉|アニメネタバレ注意
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「ルフィの夢の果て」の答えを考察。ワンピースにおける最重要伏線「ルフィの夢の果て」ロジャーの「あの言葉」とは?「宝払い」「巨大な宴」「世界を買う」…ワンピース作中に散りばめられた伏線をひとつなぎにするとルフィがゴア王国で叫んだ言葉の答えが導きだせる!ワンピース最終章考察。

もしもこの先、ルフィが「夢」を語る姿をビッグ・マムが目にしたならば、「羊の家」で過ごしたマザーカルメルとの「思い出」や「カルメルの教え」を思い出し、ルフィにカルメルの姿を重ねると考えられます。

そして、そのルフィの夢に共感し、ビッグ・マムは麦わらの一味の味方となって協力するのではないでしょうか。

ビッグマム味方になる説

カルメルの魂が失われるとすれば、その際、「ソルソルの実」の能力も失われると考えられます。しかし、先ほど考察したように、マムの強靭な肉体を考えると「ソルソルの実」の能力がなくても麦わらの一味側勢力にとって十分な戦力となるでしょう。

「スリラーバーク編」と「ワノ国編」のリンクを考えると、ビッグ・マムは娘であるローラと対応するキャラクターです。

スリラーバーク編のはじめ、ローラの「影」が入った「イボイノシシ」と麦わらの一味のナミは敵対していましたが、和解して友達になり、共にゲッコー・モリアと戦いました。

ローラとナミが友達になったきっかけは、アブサロムとの恋をナミが応援した以下のシーンがきっかけです。

ナミ「だからね 意識があるからハンコ押してくれないわけよ! 相手が寝てる間にね…」
ローラ「寝込みを襲うの!?」(中略)
ナミ「寝てなくても気絶させれば十分よ

引用:ワンピース47巻454話

ローラとナミが友達となるシーンに「意識」を失わせる「気絶」などのキーワードが登場することもとても意味深です。

ここまでの考察のように、ビッグ・マムはワノ国編終盤に「気絶」によってマザー・カルメルの「意識(魂)」を失い、麦わらの一味の味方につくと考えられます。

ここではビッグマムがカルメルから継承した「ソルソルの実」について考察しましたが、その他の悪魔の実の謎・伝達方法については以下に詳しく考察しています。

【ワンピース図解】悪魔の実を完全考察!黒ひげ&デッケン&ビッグマムの能力の伝達条件の伏線
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この考察へのコメント  14

  1. 単純にカルメルのババア食べて能力奪ったほうが面白い
    マムの性格は昔から残虐だし成長とともに強化されただけだと思う

  2. いやリンリンは昔は優しかったぞ

  3. だから悪魔の実は心臓に宿ってるんだよ!カルメルの心臓食ったからマムは能力奪えた。カルメルはその時点で死亡してるぞ

  4. ホールケーキの時がカルメルの人格で記憶喪失してるのが本当の人格だと思う

  5. ソルソルの実最上能力の魂の乗っ取りをおこなったという考えはどうでしょう。癇癪状態はリンリン人格、普段出ている残虐な人格はカルメル、といったように人格が共存していると思います。リンリンの人格は子供の時(乗っ取られたとき)から成長していないと思います。

  6. オペオペの実みたいなソルソルの実の最上の技ありそう!不老手術のように乗っ取れるけど元には戻れないみたいな感じかも!

  7. ワノ国でやさしいリンリンになっていたのも納得できる考察ですね!

  8. ソルソル食べてみたい

  9. そうなると黒ひげも白ひげの親父の人格がないといけないからおかしくね?

  10. 悪魔の実は魂に宿ります
    これはブルックの例を見ても明らか
    心臓に宿る?見てない証拠ですね

  11. カルメル死亡→近くにあった果物が悪魔の実に→その果物をビッグマムが食べて能力獲得
    だったら普通の伝達パターンになる
    描かれてはいないけどその可能性もありかと

    あと、プリンちゃんは二重人格ではなくて演技してるだけ、、、

  12. 昔、霜降り明星のせいやが考察した内容と同じ内容ですね。

  13. カルメルの写真を見てビックマムの防御力が落ちるシーンがあるけど
    それもビックマムの素の人格(幼少期のまま?)側が出たことによる影響なのかも

  14. 万が一復活して味方になるにしろ今までの悪行でかすぎて喜ぶに喜べない雰囲気…言い難いけど本気で扱いに困るキャラ作ったもんだ尾田さんは。

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