ワンピースにおける最大の謎「Dの意志」。Dの意志については様々な憶測が飛び交っていますが、ここではDの意志のモデルが「テンプル騎士団」及び「フリーメイソンリー」であると仮定して、Dの意志の正体とその思想を考察します。
この考察のポイント
これまでに登場した「Dの意志」に関する記述
まず、「Dの意志」について、ワンピース本編に描かれている情報をまとめます。
「Dの意志」についてわかっていること
- Dの意志は「空白の百年」と関わっている(32巻301話)
- ロジャー、白ひげは「D」の意味を知っている(59巻576話)
- 遠い昔から受け継がれてきたもの(59巻576話)
- 数百年分の歴史を背負って巨大な戦いを起こす(59巻576話)
- 五老星は「D」が人目に触れることを危惧している(60巻594話)
これらのことから、Dの意志は「空白の百年」と関係し、その後の数百年の歴史を背負い世界中を巻き込む「巨大な戦い」を起こす存在として世界政府から恐れられているということが分かります。
また、「空白の百年」と関わっていることから、かつて栄えた「巨大な王国」とも関係していると考えられます。
以上の記述を前提として、「Dの意志」とは何かを考察します。
「Dの意志」のモデルは海賊の起源「テンプル騎士団」
海賊の起源「テンプル騎士団」とは
まず、「D」の名を持つ者のほとんどが海賊であることから、海賊のルーツをたどってみると「テンプル騎士団」に行き着きます。「Dの意志」とはこの「テンプル騎士団」をモデルとしていると考えられます。
テンプル騎士団とは
テンプル騎士団は中世ヨーロッパで活躍した騎士修道会であり、そのうちの最も有名な1つ。聖地エルサレムの巡礼者の防衛を目的として1096年に創設された。
「テンプル騎士団」は世界的に人気となった「ダ・ヴィンチ・コード」に登場したことで日本でもその名が広く知られるようになりました。
テンプル騎士団の歴史
中世のヨーロッパ全土を支配する程の勢力を持っていた「テンプル騎士団」は、13世紀の終わり、中央集権化を進めるフランス王フィリップ4世による会員の一斉逮捕により、壊滅に追い込まれました。
フィリップ4世は聖地エルサレムを制服して一族に継承し、何世代にもわたって全ヨーロッパに強大な影響力を及ぼすという計画のため、当時、慢性的な財政難に陥っていたフランスにおいて、富裕なテンプル騎士団に目を付けました。
フィリップ4世は最大の債権者であったテンプル騎士団からの債務帳消しをもくろみ、テンプル騎士団の資産の没収し、壊滅させました。
その方法は非常に残忍なものであり、異端行為(反キリスト、悪魔崇拝など)という不当な容疑をでっち上げてテンプル騎士団会員を一斉に逮捕し、罪を自白するまで拷問を行いました。
その後、フィリップ4世は口封じのため、投獄されていた4人の指導者たちの処刑を指示し、ジャック・ド・モレーら最高指導者たちは生きたまま火あぶりにされました。残された団員たちは海を渡って海賊となりました。
テンプル騎士団と海賊旗
テンプル騎士団最後の総長であった「ジャック・ド・モレー」はパリのシテ島で処刑されました。
テンプル騎士団最後の総長「ジャック・ド・モレー」
その後、残されたテンプル騎士団の団員たちが彼の遺骨を掘り起こした際、頭蓋骨がクロスした2本の骨とともに埋まっていた事から、「頭蓋骨と2本の骨さえあれば人は復活できる」という意味を込め「ジョリー・ロジャー」と呼ばれる海賊旗をシンボルとして掲げました。
これが海賊の起源とされています。
テンプル騎士団歴代総長の名と「Dの意志」
また、テンプル騎士団の歴代総長23名のうち、19名の名に「de(ド)」がついています。上でみた最後の総長「ジャック・ド・モレー」もその一人です。
テンプル騎士団歴代総長
- ユーグ・ド・パイヤン(Hughes de Payens)
- ロベール・ド・クラオン(Robert de Craon)
- エヴェラール・デ・バレス(Everard des Barres)
- ベルナール・ド・トレムレ(Bernard de Tremelay)
- アンドレ・ド・モンバール(André de Montbard)
- ベルトラン・ド・ブランシュフォール(Bertrand de Blanchefort)
- フィリップ・ド・ミリー(Philippe de Milly)
- オドー・ド・サンタマン(Odo de St Amand)
- アルノー・ド・トロージュ(Arnaud de Toroge)
- ジェラール・ド・リドフォール(Gérard de Ridefort)
- ロベール・ド・サブレ(Robert de Sablé)
- ジルベール・オラル(Gilbert Horal)
- フィリップ・ド・プレシス(Phillipe de Plessis)
- ギヨーム・ド・シャルトル(Guillaume de Chartres)
- ペドロ・デ・モンタギュー(Pedro de Montaigu)
- アルマン・ド・ペリゴール(Armand de Périgord)
- リシャール・ド・ビュレ(Richard de Bures)
- ギヨーム・ド・ソナク(Guillaume de Sonnac)
- ルノー・ド・ヴィシエ(Renaud de Vichiers)
- トマ・ベラール(Thomas Bérard)
- ギヨーム・ド・ボージュー(Guillaume de Beaujeu)
- ティボー・ゴーダン(Thibaud Gaudin)
- ジャック・ド・モレー(Jacques de Molay)
この「de」とはフランス革命以前に貴族であった者の子孫を表します。つまり、テンプル騎士団と「Dの意志」が関係しているとすれば、「Dの一族」とは「かつて栄えた王国」の貴族、支配階級であった可能性が高いということになります。
テンプル騎士団の汚名が晴らされたのは、壊滅から600年後の1907年、ドイツの歴史学者によって完全な冤罪であったことが証明されました。
ワンピースにおいても、「かつて栄えた王国」の謎が明らかとなり、800年の時を経て、Dの意志の汚名が晴らされることになるかもしれません。
テンプル騎士団が「Dの意志」のモデルであった場合の可能性をまとめてみます。
- Dの一族とは かつて栄えた「巨大な王国」の支配階級の末裔である
- Dの一族は海賊の起源と深く関わっている
- Dの意志には「復活」の意味が込められている
- Dの一族の汚名はのちに歴史学者によって冤罪が証明される
さらに、この海賊の起源「テンプル騎士団」の歴史には続きがあります。
テンプル騎士団そして「フリーメイソン」とその思想
テンプル騎士団と「フリーメーソン」
フランス王フィリップ4世によって壊滅に追い込まれた「テンプル騎士団」ですが、その後、残党がスコットランドに逃げ延びて新たに組織を作りました。テンプル騎士団のシンボルや用語、階級が継承されているその組織とは「フリーメイソン」です。
フリーメイソンとは
「フリーメイソン」とは全世界に600万人もの会員を持つ友愛結社。「自由」「平等」「友愛」「寛容」「人道」の5つの基本理念を持つ。
「Dの意志」のモデルが「テンプル騎士団」であるとすると、その生き残りが作った「フリーメイソン」もまた「Dの意志」と深く関係していると考えられます。
むしろ、テンプル騎士団が「空白の100年におけるDの一族」であるとすれば、フリーメイソンは「世界政府によって滅ぼされた後の生き残りたちが受け継ぐ「Dの意志」と考えてもいいでしょう。
空白の100年の「Dの一族」→ 「Dの意志」
それでは、Dの意志に繋がる「フリーメイソン」の思想とは何かを見ていきましょう。
フリーメイソンの思想と「Dの意志」
「フリーメイソン」とは全世界に600万人もの会員を持つ友愛結社です。「自由」「平等」「友愛」「寛容」「人道」を基本理念とし、宗教の壁を超え、世界が一つになることが大切であるという理念を持っています。
かつて、スコットランドの石工職人の同業組合が、自分たちの技術や知識を他の職人から守るために暗号を使用したのが始まりで、その名残として、石工の道具であった「直角定規とコンパス」がシンボルマークとされています。
この「石工職人」と「暗号」というワードも「かつて栄えた巨大な王国」が決して砕けない硬い石を扱い、「ポーネグリフ」を残したことと繋がるかもしれません。
また、フランス革命の背後に「フリーメイソン」が関わっていたこともワンピースにおける「Dの意志」と繋がります。フランス革命の当事者の多くが「フリーメイソン」であったことは有名です。フランス革命が掲げた「自由」「平等」「友愛」という理念は、先に挙げたフリーメイソンの基本理念とも一致します。
ワンピースにおいて「革命」といえば、Dの一族であるドラゴン率いる「革命軍」ですが、この革命軍の行動がフランス革命と関係していることは明らかです。
だとすれば、Dの意志を継ぐモンキー・D・ドラゴンもまた「自由、平等、友愛」というフリーメイソンの思想を持っていると考えられます。
Dの意志とは「世界を一つにする」という意志である
ここまで、ワンピースにおける「Dの意志」が、「テンプル騎士団」とその生き残りが創設した「フリーメイソン」をモデルとしているとして、その共通点を見てきました。
他にも「ユダヤ教」、「カバラ数秘術」など、ワンピース作中には「フリーメイソン」との関係が多数見られますが、ここでは「Dの意志」に関係するもののみ取りあげました。
「Dの意志」が「フリーメイソン」をモデルとしていると仮定すると、その思想は「自由」「平等」「友愛」「寛容」というフリーメイソンの基本理念、さらには「宗教の壁を超え、世界が一つになる」ことを目的としていると考えられます。
「世界を一つにする」とは、魚人族への差別や奴隷制度の撤廃といった差別のない世界を作るという意味だけではなく、「グランドライン」と「レッドライン」によって4つに分割された世界を一つにするという思想でもあるのではないか。この点については以下の考察で取りあげます。
これはすごいですね・・・。
Dの意志にモデルかもしれないものがあったなんて!
海賊との結びつき(てか、原点)もありますし、すごく説得力のある研究まとめです!
納得しざるを得ません。これ以外に何があるのかと言いたいくらいですw
いやあ、面白い!面白い記事をありがとうございます!
ありがとうございます。
実在した海賊の名前を使ってるんだし、歴史は絶対に参考にしてるよね
面白いですね・・・・!参考になります
そのことは初めて知りました
すげぇ
テンプル騎士団ならどうなの⁇
分かって何が楽しい⁇
考察とかしてる暇があってうらやましいわぁ(^^;;
すんげー
おんもしれーー
鳥肌立ちましたまさにロマン!
今まで世界の地形を変えたのは世界政府だと思ってましたが、もしかしたら巨大な王国が世界政府を封じ込めるために地形を変えたのかもしれない。
そうすると古代兵器も地形を元に戻すためにその王国が用意したものかもしれません。
Dの意志とは世界政府を打倒することだろうと思ってましたが、地形を復活させることも含まれているのかもしれません。
スペインのバルセロナのサグラダファミリアに行ったときなんですが、
誰もが知っているスペインの天才建築家アントニーガウディの名前表記がアントニーDガウディとなっている事に驚きました、
そして彼の意思を継ぐもの達が今も建築をつずけています。
820コメントしてるお前も暇だろ
テンプル騎士団の中でDの名を持つものは19名
19名・・・世界政府の加盟国と同じだね
マジですごいな。アサシンクリードをやってたからテンプル騎士団は知ってるけどこういう者だったのは初めて知った
本当かどうかは置いといて
めちゃくちゃ面白い考察だと思います。
凄い‼︎
楽しく読ませてもらっています。
結果が間違ってもいいとおもいます。
考察はロマンですよね。
七武海がロマンシングサーガをモチーフにしてたら他にないかなと思い
昔,Dの食卓ってゲームありましたよね。
ただいたいDはドラキュラのことですがドラキュラ自体、ドラゴンの息子って意味ですものね。何かありそうですね。
オモロイ
まさかテンプル騎士団と絡めた考察が出てくるとは……
すごく面白かったです。
いずれにせよワンピースはフリーメイソンやテンプル騎士団さ実在する歴史をモデルにしたことは明らかですね!今後が楽しみでしかたありません!wwww
ルフィのママって誰?
楽しい!!楽しい!!
皆さん高学ですね~
楽しい!!
早く最終回がみたい!!
でも、最終回来たら考察も読めなくなってしまうのかと思うと、最終回来なきゃ良いのに…
は?テキトーなこと言ってんじゃねぇぞ!
ありえないことじゃないな
エヴァンゲリオンもフリーメイソンなぞってるってのは有名だし
おもしろいなー!
だから
世界を一つにする=ONE PIECE
全てが繋がるよね
ワンピースがなぞってるのはフリーメイソンじゃなくて風の谷のナウシカの原作ですよー
妄想の続き
プルトンはわからないのですがポセイドンをノアとしらほし姫とするとウラヌスはロジャーと麦わら帽子ではないかと
麦わら帽子はロジャー(ウラヌス)からシャンクス(クロノス)に渡りルフィ(ゼウス)に引き継がれます
海賊時代が始まったのはロジャー(宇宙の始まりはウラヌス)そして平和が訪れたのはルフィ(宇宙を支配したのはゼウス)となります。
面白い
革命なんてテロ行為してるしドラゴンはその概念とは程遠い所にいますね。
ナウシカも結局は一つの説では?
その程度の共通点では薄すぎると思います。