太陽の神ニカは陽樹イブの天然樹脂から創造された?太陽の神ニカとルナーリア族の特殊な体質とは?ワンピース1044話以降の展開を考察します。

「太陽の神ニカ」「ルナーリア族」の体質と「陽樹イブ」「宝樹アダム」

「太陽の神ニカ」と「ルナーリア族の体質」

太陽の神ニカ考察において、ルフィの能力「ゴムゴムの実」の本当の名が太陽の神ニカが宿る「ニカニカの実」または「幻獣種ヒトヒトの実モデル”太陽の神ニカ”」であり、能力者はルナーリア族と同じ身体的特徴を持つとしました。

しかし、実は「ルナーリア族」の体質がもともと「太陽の神ニカ」の体質であった可能性があります。

今回は「太陽の神ニカ」と「ルナーリア族」の正体について考察していきます。

ルナーリア族の特徴

  1. ゴムのような伸縮性
  2. 自然界のあらゆる環境下で生存できる
  3. 身体から発火する能力を持つ
  4. 黒い羽・白髪・褐色の肌

ルナーリア族はワンピース世界の種族において非常に特殊な体質を持っています。

しかし、「ルナーリア族」の体質は、これまでに描かれたワンピース世界に存在する物を組み合わせることで創り出すことができます。

ルナーリア族の伸縮性と「陽樹イブ」

まず、ルナーリア族のゴムのように「伸びる」という特徴は「陽樹イブ」と関係するとしました。

陽樹イブについては、ワンピース本編に描かれた情報が少ないですが、シャボンディ諸島を形成していた「ヤルキマン・マングローブ」の親分とされたことから、2つの樹は似た性質を持っていると考えられます。

「ヤルキマン・マングローブ」の天然樹脂からできるのが船のコーティングに使われた「シャボン」です。「シャボン」はロビンのセリフより、「粘性」があることがわかります。

陽樹イブの天然樹脂
尾田 栄一郎「ONE PIECE」51巻496話/集英社

バッパグ「このヤルキマン・マングローブの根っこから 特殊な天然樹脂が分泌されているんだ」
ロビン「……やだベタベタするわ

引用:ワンピース51巻496話

「シャボン」と呼ばれていますが、天然樹脂から作られていることから「天然ゴム」に近いものであると考えられます。シャボンディ諸島では実際にゴム風船のように使われる様子も描かれています。

「シャボン」が石鹸のようなものであるならば、ロビンの「ベタベタする」という発言や、水に入っても壊れない強度などに矛盾が生じます。

よって、「ヤルキマン・マングローブ」の親分とされた陽樹イブの正体は「ゴムの木」であると考えられます。

そして、「太陽の神ニカ」及び「ルナーリア族」の伸縮性は「陽樹イブ」の樹液である天然ゴムがもととなっていると考えられます。

ルナーリア族の「伸縮性」については、これだけでは根拠が薄いですが、もう一つの特徴を考えることで信憑性が増していきます。

ルナーリア族の強度と「宝樹アダム」

「陽樹イブ」と関係するもので思い当たるものがもう一つあります。ウォーターセブン編で描かれた「宝樹アダム」です。

宝樹アダムとニカの実
宝樹アダム(イメージ)

「宝樹アダム」とは麦わらの一味の船「サウザンドサニー号」の材料となった樹です。

フランキー「ある…戦争を繰り返す島に…たとえ島に住む人間が砲弾のふり注ぐ戦争を始めようが 島中の人間が死に廃墟と化そうが…ものともせず立ち続ける巨大な”樹” 何が起きても倒れねェ…

人はまた その樹に寄りそい町を…国を作る 世界にたった数本…その最強の樹の名は宝樹”アダム”

引用:ワンピース45巻431話

島に戦争があろうが「ものともせず立ち続ける」とは、ルナーリア族の「自然界のあらゆる環境下で生存できる」という体質に似ています。

魚人島にて「陽樹イブ」の説明を受けた際、ウソップが「”宝樹アダム”と何か繋がりがあるんだろうか」とメモをとっていました。

この2つの樹木の関係とは、「陽樹イブ」と「宝樹アダム」を合わせることで「太陽の神ニカ」が作られたことだと考えられます。

陽樹イブと太陽の神ニカの伏線

「陽樹イブ」と最初の人類

「樹から人を作る」というのは不自然に思われるでしょうか。しかし、「陽樹イブ」から人ができたと考えられる伏線があります。「陽樹イブ」という言葉が初めて登場したワンピース52巻の作者コメントです。

全世界の人々のDNAをず〜っと昔に辿っていくと、みんなの血は、大昔のアフリカの一人の女性に行きつくんだって。とはいえ、理論上、その人が最古の人間にはならない。—でも、必ずいるハズだ。最初の人類。今の全世界の全人類の母!! すごそうなので、絵にしてみたよ。人類は兄弟。どこの誰が困っていても他人じゃない。62巻始まるよ〜!!!」

引用:ワンピース62巻カバー裏

ここでいう「アフリカの女性」とは「ミトコンドリア・イブ」を指していると思われますが、「陽樹イブ」が初めて登場した62巻にわざわざこの話題を持ち出して「人類の起源」に触れているというのは意味深です。このコメントは尾田先生から与えられたワンピース世界の「人類の起源」のヒントなのではないでしょうか。

そして、そのコメントに添えられたイラストが重要です。「緑色の髪」と「茶色い肌」がまるで樹木のように着色されているのです。

ルナーリア族
尾田 栄一郎「ONE PIECE」62巻/集英社

これらのことから、ワンピース世界の「人類」のDNAを遡ると「陽樹イブ」に行き着くと考えられ、それこそが「陽樹イブ」の名前の由来であると考えます。

ちなみに、このコメントが寄せられたカバーを開くと、表紙にはメダカの人魚「ニカ」が描かれています。

ルナーリア族キングのタトゥー

「太陽の神ニカ」「ルナーリア族」が樹から創られたという根拠はまだまだあります。ルナーリア族の生き残りであるキングのタトゥーです。

ルナーリア族キングのタトゥー
尾田 栄一郎「ONE PIECE」1035話/集英社

キングの目元には「植物の葉」のようなタトゥーが入っています。このタトゥーがルナーリア族の特徴であるかは分かりませんが、ルナーリア族と「植物」を繋いでいます。

ニカの実と人類の起源
太陽の神ニカと人類の起源

それでは「陽樹イブ」の「陽」は何を意味するのでしょうか。「陽樹イブ」から誕生した最初の人類が「ニカ」である可能性があります。

「陽樹イブ」に宿る意思と太陽の神ニカ

太陽の神ニカが「陽樹イブ」から作られたのならば、「陽樹イブ」にどのように「命」が宿ったのでしょうか。「陽樹イブ」について、ネプチューンは以下のように説明しています。

ネプチューン「地上で受けた光をその根に灯す神秘の樹じゃもん」

引用:ワンピース62巻612話

「陽樹イブ」は太陽の光をその身に宿すとされています。

だとすれば、「太陽光」と共に「太陽の神ニカ」という「何らかの意志」が「陽樹イブに」宿った可能性があります。

それこそが、「太陽の神ニカ」であり、青色の星における最初の人類ニカとなったのではないでしょうか。

樹に「魂」が宿るといえば、「太陽の神」信仰を持っていた古代都市シャンドラにも「身縒木」と呼ばれる樹がありました。

ドクター「”身縒木(みよりぎ)”?」
ムース「……はい………この島で亡くなった過去数百年の先祖達の魂が鐘の音に導かれ その身を宿すという 神聖な白色の木々です」

引用:ワンピース31巻291話

空島では他にも「クラバウターマン」と呼ばれる船に宿る精霊が登場し、「クラバウターマン」の説明をしたのも「宝樹アダム」について語ったフランキーです。

クラバウターマン
尾田 栄一郎「ONE PIECE」37巻351話/集英社

フランキー「”クラバウターマン” 船乗りに語り継がれる伝説の一つだ…本当に大切に乗られた船にのみ宿る妖精……まァ船の化身だな」

引用:ワンピース37巻351話

さらに、「太陽の神」信仰のあったエルバフでは、マザー・カルメルが「ソルソルの実」によって無生物に命を与えるという方法で「炎」から意思を持つ太陽「パンドラ」を作り出しました。カルメルの「ソルソルの実」を受け継いだビッグ・マムはその後、同じように意思を持つ「太陽」を作り出し、「プロメテウス」と名付けました。

ギリシャ神話において「パンドラ」は神によって作られた「人類最初の女性」であり、「プロメテウス」とは「人類を創造した」とされる神の名です。

「太陽」に関係するキャラクターに「人類創造」のイメージを意図的に付与していると考えられます。

これらの根拠から、太古の昔、青色の星で「太陽の神ニカ」が宿った「陽樹イブ」と「宝樹アダム」から最初の人類が作られ、それが様々な種族へと枝分かれしたのではないでしょうか。

その意味で、「実体のない意思」=「太陽の神ニカ」とは創造主であり、実体を持った「最初の人類」だったのではないかと考えます。

旧約聖書における人類の創造と「カインとアベル」

ここまで、「太陽の神ニカ」と「ルナーリア族」が「陽樹イブ」と「宝樹アダム」からできたと考察してきました。

「アダム」と「イブ」とは明らかに「旧約聖書」の最初の人類が由来です。そして、アダムとイブの子供に「カイン」「アベル」「セト」がいます。

ワンピース作中に唯一登場したルナーリア族キングの本名は「アルベル」です。このアルベルという名前はアダムとイブの次男「アベル」に似ています。

さらに、太陽の神ニカですが、「NIKA」を並べ替えると「KAIN」となり、アダムとイブの長男「カイン」のアナグラムとなっています。

よって、ここまで考察してきたように「太陽の神ニカ」と「ルナーリア族」が「陽樹イブ」と「宝樹アダム」からできたとすれば、「ニカ」と「アルベル」の名前にもそのヒントが隠されていると言えます。

太陽の神ニカと旧約聖書
太陽の神ニカと旧約聖書

そして、「太陽の神」が信仰されていた古代都市シャンドラには「セト」という名の少年がいました。

古代都市シャンドラには「太陽の神ニカ」の伏線が多数敷かれていますが、この「セト」という名前を登場させた理由は「太陽の神」と創世記を結びつける狙いがあったのかもしれません。

次回は人類創造の具体的な方法と羽を持つ「ルナーリア族」について考察します。

この考察へのコメント  7

  1. キングの存在がただの百獣海賊団の大幹部というだけではなくなってきましたね
    キングの口から語られる話が聞きたい!

  2. カインとアベル!確かにそうですね!

  3. イブ アダムの最初と最後でイムですね

  4. アテン神

  5. イムって仏だと思ってました

  6. ルナーリア族の元ネタは恐らくはクロノスの別名、サトゥルヌス……の祭り、サートゥルナーリアと考えられる。

  7. 祭りですか!でしたらルナーリア族は、宴の一族とも考えられるのでしょうか!!

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