ニカとルナーリア族の体質の違いから、ワンピース世界の人類創造に「月の人」の血統因子が関わる可能性を考察しました。
前回考察：ニカとルナーリアはワンピース世界の人類の起源か
ワンピース世界の人類の起源
前回、ニカとルナーリア族の体質は陽樹イブと宝樹アダムから作られたと考察しました。
そして、「ニカ」の名とキングの本名「アルベル」が旧約聖書におけるアダムとイブの子供「カイン」「アベル」に似ていることから、ニカとルナーリア族がワンピース世界における人類創造に関わっていると考察しました。
ルナーリア族と人類創造
今回は前回の考察を発展させ、ニカとルナーリア族の違いから、「月の人」の血統因子とワンピース世界の種族について考察します。
まず、この考察の根拠となる図を載せておきます。各種族の持つ特徴の共通点を探し出し、その要素がどこから来たのかを遡ることで、ワンピース世界の種族の起源を考察しようと試みています。よって、不確定な要素も含まれています。
ワンピース世界の種族の起源
概要を簡単に説明すると、アダムとイブに宿った意志から「太陽の神ニカ」が生まれたという前回考察に加え、ルナーリア族にあってニカにない要素が青色の星に移住した「月の人」と月の鉱石に由来するとしています。
以下、各要素について詳しく考察します。
宝樹アダムと陽樹イブが人類の創造に関係する
旧約聖書における人類創造
「宝樹アダム」と「陽樹イブ」は旧約聖書における最初の人類アダムとイブが由来と考えられます。
だとすれば、ワンピース世界の人類創造に「宝樹アダム」と「陽樹イブ」が深く関係しているのではないでしょうか。
その証拠に「陽樹イブ」が初めて登場したワンピースコミックス62巻のそでには現実世界の「最初の人類」に関する尾田先生のコメントが掲載されており、「ミトコンドリアイブ」が話題となっています。
尾田 栄一郎「ONE PIECE」62巻／集英社
「全世界の人々のDNAをず〜っと昔に辿っていくと、みんなの血は、大昔のアフリカの一人の女性に行きつくんだって。とはいえ、理論上、その人が最古の人間にはならない。—でも、必ずいるハズだ。最初の人類。今の全世界の全人類の母!!」
そして、62巻表紙にはメダカの人魚「ニカ」が描かれています。
前回考察では「ニカ」が「宝樹アダム」と「陽樹イブ」から作られた最初の人類であると考察しましたが、その根拠を簡単にまとめます。
宝樹アダム
まず、人類創造に関わったと考えられる「宝樹アダム」の特性を確認します。
フランキー「ある…戦争を繰り返す島に…たとえ島に住む人間が砲弾のふり注ぐ戦争を始めようが 島中の人間が死に廃墟と化そうが…ものともせず立ち続ける巨大な”樹” 何が起きても倒れねェ…
人はまた その樹に寄りそい町を…国を作る 世界にたった数本…その最強の樹の名は宝樹”アダム”」
宝樹アダムが戦火にあっても倒れない最強の樹であるという説明から、「自然界のあらゆる環境下で生存できる」というルナーリア族の体質や、雷や炎に耐性を持つニカの体質と繋がります。
宝樹アダムを使用して作られたサニー号は、パンクハザード周辺の「火の海」でもダメージを受けていないことからも宝樹アダムは炎への耐性を持っていると考えられます。
陽樹イブ
陽樹イブについては、魚人島にてネプチューン王が以下のように説明しています。
ネプチューン「地上で受けた光をその根に灯す神秘の樹じゃもん その樹の根の呼吸はさらに空気をも海底へと供給する…!!」
ウソップ「シャボンディの『ヤルキマン・マングローブ』の親分みてェなモンか!!」
陽樹イブに関する情報は少ないですが、「ヤルキマン・マングローブ」と同じく、「シャボン」の材料となる天然樹脂を分泌する「ゴムの木」に近い特性を持つと考えられます。
この「ゴムの木」の特性と、「太陽の光」を宿す樹であることから、陽樹イブは「太陽の神ニカ」と関係が深いと考えました。
だとすると、「陽樹」という名前から、ニカの燃えるような髪やルナーリア族の「発火」に関係する要素を持っていた可能性もあります。
その他根拠については前回考察に詳しく書いています。
太陽の神ニカと悪魔の実が生まれた背景
太陽の神ニカと「悪魔の実」
太陽の神ニカの性質は「宝樹アダム」と「陽樹イブ」から受け継いでいる可能性を示しました。
ニカの特徴
- 熱・雷耐性
- 燃えるような髪
- ゴムの体
- ぐる眉
「燃えるような髪」と「ゴムの体」は陽樹イブから、「熱・雷耐性」はアダムの特性で説明することができます。
しかし、植物である「陽樹イブ」「宝樹アダム」と違い、ニカは「意思」を持っています。この「ニカの意思」はどこからきたのでしょうか。
ニカは「太陽の神」であるので、ニカの意思とは太陽の光と共に陽樹イブに宿った「クラバウターマン」のようなものであると考えます。
そして、その「意思」とは「悪魔の実」に宿る「悪魔」と同一であると考察しました。
ニカの実を食べた能力者
「旧約聖書」ではアダムとイブが知恵の樹の実を食べたことで罪を背負いますが、悪魔の実の着想はここから得ている可能性があります。
つまり、宝樹アダムと陽樹イブの間できた果実に「ニカ」の精神が宿ったものが最初の悪魔の実「ヒトヒトの実モデルニカ」だったのではないでしょうか。
そして、ニカを覚醒させたルフィの眉はぐる眉になっています。この「ぐるぐる模様」も悪魔の実と共通します。
パンクハザードで描かれたスマイリーの状況から、果実に悪魔が宿ることで「ぐるぐる模様」ができるので、ぐるぐる模様は実に宿った何らかの「意思」=「悪魔」を表しているというわけです。
尾田 栄一郎「ONE PIECE」68巻676話／集英社
この「ぐるぐる模様」はサンジにも共通しますが、理由は後述します。
ルナーリア族は月の人の血統因子を受け継ぐ
ルナーリア族
前回考察ではニカとルナーリアの共通点を考察しました。しかし、両者には決定的な違いがあります。以下が「ニカ」にはない「ルナーリア族」の特徴です。
ニカとルナーリアの違い
- 羽
- 外骨格
- 黒色の翼
- 褐色の肌
これらルナーリア族の特性は、ニカの体質に「羽」「外骨格」「黒色」を加えたものと捉えることができます。
まず「羽」といえば、エネルの扉絵シリーズに描かれた「月の人」が思い浮かびます。「ルナーリア」という名前からも両者が関係していることは明らかです。
尾田 栄一郎「ONE PIECE」49巻472話／集英社
だとすると、ルナーリア族とは「ニカ」と「月の人」の血統因子が組み合わされた種なのではないでしょうか。
月の人
「月の人」に関する情報は少ないですが、ルナーリア族とニカの違いから「月の人」の特徴を予想することができます。
「羽」以外に両者で大きく違うのは「褐色の肌」と「外骨格」です。
「褐色の肌」については、ルナーリア族が「レッドライン（赤い土の大陸）」に住んでいたことから「赤い土」が関係していると考察しています。
旧約聖書では「アダム」は「赤い土」に由来し、土から作られたとされており、ルナーリア族も同じように「レッドライン（赤い土の大陸）」の土から作られたと考えます。
そして、ルナーリアの肌の色である「褐色」とは、「レッドライン」の赤色に「黒色」が混ざった色を指します。
月の人の羽は白でしたが、キングの羽は黒色です。この「黒色」は何を表すのでしょうか。
「黒色」「外骨格」「月」で思い浮かぶのは「ポーネグリフ」の鉱石です。「ONE PIECE DOORS!2」では、ポーネグリフと月の古代都市との関連が匂わされており、この鉱石は月由来の物質である可能性があります。
「爆破しても傷一つつかない”歴史の本文”と、エネルの電撃をも通さない”月の壁画”。歴史を伝える手段である”頑丈さ”は偶然の一致なのか…?」
だとすれば、月には電気に耐性を持つ「傷がつかない鉱石」があり、「月の人」がルナーリア族を作る際にレッドラインの赤い土と混ぜ合わせたために、「褐色の肌」と「外骨格」、「黒い翼」にその特徴が現れたのではないでしょうか。
ちなみに、「ルナーリア」はイタリア語で「月の石」という意味です。
サンジと兄弟
「ルナーリア族」といえば、サンジとの関連が仄めかされています。
かつて、パンクハザードでルナーリア族の研究がされているので、ジャッジはルナーリア族の血統因子を手に入れ、サンジら兄妹の血統因子に組み込んだ可能性があります。
サンジの兄弟には「外骨格」があり、これはルナーリア族の硬い体と共通します。
また、「発火」や「ぐる眉」はサンジにニカの要素が受け継がれていることを表します。
ちなみに、ニカと悪魔の実が関係するとしましたが、サンジと悪魔の実についてもSBSで以下のような記述があります。
D「悪魔の実は全部ぐるぐるもようがついてるの?」
O「そうなんです。あれが特徴の様ですね。僕はたまに、サンジも悪魔の実なんじゃないかと思う事があります。」
先ほど、悪魔の実とニカがアダムとイブから作られた可能性を考察しましたが、サンジにニカの要素が入っているならば、サンジの血統因子は悪魔の実とも関係します。
また、サンジがルナーリア族の血統因子を持ち、「月の人」と関係するならば、サンジに数多く描かれる「宇宙」の要素についても説明することができます。
尾田 栄一郎「ONE PIECE」47巻／集英社
バーソロミュー・くまの「特殊な種族」
ワンピース最新話にて、くまが「特殊な種族」であると判明しました。
ジンベエ「ベガパンクがくまの筋力 潜在能力に惚れ込んでいた為に”身体改造”と”クローン開発”への参加を条件に”王下七武海”として海へ戻った男…!!」（中略）
ジュエリー・ボニー「父は言ってた 自分は特殊な種族だって」
ジンベエによると、ベガパンクが注目した特殊な種族の特徴は「筋力」であり、この「筋力」が「クローン開発」に必要であったと考えられます。
先ほどルナーリア族の「外骨格」について考察しましたが、この月の人の要素がバーソロミュー・くまの「特殊な種族」に関係すると考えられます。
今回は宝樹アダムと陽樹イブから「ニカ」が生まれ、「ニカ」と「月の人」から「ルナーリア 族」が生まれた可能性を考察しました。
ワンピース世界にはさらに様々な種族がいます。これら種族やくまの種族については次回考察します。
ビビと一緒にいるのも謎だけど…ワポルのリークは超重要っぽい!!!
「ワポメタル」がバーソロミューくまの「特殊な種族」に繋がる可能性も！！！
「ワンピース世界の種族の起源」ここまで考えたけど行き詰まったやつ↓↓↓https://t.co/toS95rGkuB pic.twitter.com/oFe9AGbrA5
— 考古学ワンピース伏線考察 (@KoukogakuOp) 2023年2月12日
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