空白の100年に栄えた「巨大な王国」とは何か。

かつて栄えた「巨大な王国」とは何か

「巨大な王国」に関するクローバー博士の仮説

まず、「巨大な王国」に関する情報を振り返ります。ワンピース作中で「巨大な王国」について描かれたのは、考古学の聖地オハラの回想における考古学の権威クローバー博士の以下のセリフです。

クローバー博士とかつて栄えた巨大な王国
尾田栄一郎「ONE PIECE」41巻395話/集英社

クローバー博士「遥か昔の文献と発見したいくつかの”歴史の本文(ポーネグリフ)”を読み解く事で我々はやがて一つの国の存在に気づいた……今はもう跡形もないが 文献の上に浮かび上がったのは ある巨大な王国の姿……!!」

引用:ワンピース41巻395話

オハラの考古学者たちが「”空白の100年”に打ち立てた仮説」として、クローバー博士の口から語られた「巨大な王国」に関する情報は以下です。

「巨大な王国」とは

  • 空白の100年以前の文献とポーネグリフの解読によって存在が判明
  • 空白の100年に「20の王国の連合国」と敵対した
  • かつて強大な力を誇ったが、敵に敗れて滅亡し、現在は跡形もない
  • ポーネグリフに歴史を刻み、ある「思想」を未来に託した
  • 「古代兵器」の情報を持っていた
  • 世界政府は王国の「存在」と「思想」を脅威に思っている

これらを元に「巨大な王国」が栄えた「空白の100年」がどのような世界であったのかについて考察します。

追記:ワンピース1065話にて、巨大な王国に関する新情報が描かれました。

ベガパンク01「このエッグヘッドのような…高い文明を持つ『王国』が”900年前に実在してた”と言ったら…信じられるか?」

引用:ワンピース1065話

クローバー博士は巨大な王国が強大な力を持っていたと発言していました。高い文明を持ち、強大な力を誇っていた王国はなぜ滅びたのでしょうか。

「巨大な王国」を滅ぼした「連合国」

「巨大な王国」には、それを滅ぼした「何らかの敵」がいたとクローバー博士は推測しています。

クローバー博士は、敵がその後の歴史に生き残っているはずであるとし、空白の100年が明けた直後に「世界政府」が創設されたことから、その敵とはのちに「世界政府」と名乗る連合国であると考えました。

世界政府を創設したのは、天竜人の祖先である「20人の王達」であるので、「連合国」とは「巨大な王国」と敵対した「20の王国」によって構成された連合国ということになります。

20の王国の連合国 ←敵対→ 巨大な王国

「巨大な王国」の思想と「Dの意志」

「巨大な王国」と連合国の敵対関係

「巨大な王国」とはどのような王国であったのかを考察するにあたり、まず、世界政府が恐れる「巨大な王国」の思想を考えます。

その思想は「巨大な王国」と「20の王国」の連合国の敵対関係から考察することができます。

連合国 敵対 巨大な王国
↓ 末裔       ↓ 思想?
天竜人 相対する思想 Dの一族

この関係が正しいとすれば、「巨大な王国」の思想とは「Dの一族」が受け継いでいる「Dの意志」とイコールであると考えてよいでしょう。「D」の存在を世界政府が恐れていることからも「巨大な王国」の思想と「Dの意志」は同じものであると考えられます。

巨大な王国の思想Dの意志

巨大な王国の思想を受け継ぐ「Dの意志」

Dの一族が受け継ぐ思想については、これまでに登場したDの特徴から以下の3つの思想であると考察しています。

Dの意志

  1. 自由
  2. 多種族共存
  3. 世界の破壊

1の思想については、「D」の名を持つ人物達が「支配ではなく自由を求める」という内容の発言をしていることが根拠です。特にその思想はロジャー、ルフィ、ガープのセリフによく表れています。

2の思想については、ドラム王国編でDr.くれはがルフィのどの行動に「Dの意志」が生きていると感じ取ったのかを振り返り、人間から迫害を受けていた「チョッパー」へ差別や偏見なく接するルフィの態度を取り上げて考察しました。

3の思想については、ドレスローザ編での元天竜人ロシナンテによるDの一族の目的は「世界の破壊」であるという発言を根拠としています。

「Dの意志」に関しては、以下の「Dの意志考察」に詳しく考察しているので、興味のある方はこちらもご覧ください。

【Dの意志】受け継ぐ3つの思想!?神の天敵Dの一族の正体と世界の破壊の目的を考察
【Dの意志】受け継ぐ3つの思想!?神の天敵Dの一族の正体と世界の破壊の目的を考察
受け継がれる意志=Dの意志とは何か。宿命の種族「Dの一族」の正体とは?「D」の由来や意味、Dの一族の目的である「世界の破壊」とは...ワンピースにおいて最も重要な伏線の一つ「Dの意志」について、Dに関する謎をまとめ、Dの一族の全てを考察する。

元天竜人ロシナンテは「Dの一族は天竜人と相対する思想を持つ」とも語っています。ここで導き出した「Dの意志」が妥当であるかを確認するため、「天竜人の思想」についても見ていきましょう。

連合国の思想を受け継ぐ「天竜人の思想」

天竜人の思想は「Dの意志」と対照的であり、まさに「相対する思想」となっています。

天竜人の思想

  1. 支配
  2. 種族主義
  3. 世界の創造

1の思想については、海軍本部を後ろ盾として一般市民を武力で支配する天竜人の存在そのものです。

2の思想に関しては、天竜人が「血統」を重んじて自らを「神」と自称し、その他の人間を「下々民(しもじみん)」と呼んで蔑んでいる様子が描かれています。

3に関しては、天竜人が「世界の創造主」と呼ばれていることから、「グランドライン」と「レッドライン」によって4つに分断された現在のワンピース世界を創造したと考察しました。

ここまで見てきたように、「Dの一族」と「天竜人」の思想は対照的に描かれています。

このことから、「空白の100年」に敵対関係にあったとされる「巨大な王国」と「20の王国の連合軍」の思想も同じく相対するものであったと考えてよいでしょう。

連合国と巨大な王国
連合国と巨大な王国
この章の考察ポイント

  1. 巨大な王国の思想とは「Dの意志」と共通である。
  2. 巨大な王国の思想は「自由」「多種族共存」「世界の破壊」の3つを基本とした思想である。

今回は、Dの意志との関係から「巨大な王国」の思想を考察しました。「巨大な王国の思想」と「Dの意志」が共通であるならば、「Dの意志」を受け継ぐ「ルフィの目指す世界」こそが「巨大な王国」の姿なのではないでしょうか。

次回、「ルフィの目指す世界」から「巨大な王国」があった意外な場所と王国の全てを考察します。

巨大な王国があった超意外な場所!ネフェルタリ家とDの意志|ワンピース考察
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「空白の100年に存在したとされる「巨大な王国」はどこに存在したのか。世界政府が恐れる巨大な王国の「正体」と「思想」とは? 「Dの意志」とネフェルタリ・コブラの発言から考察する。

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