魚人島のポーネグリフに謝罪文を残した人物とされる「ジョイボーイ」。ワノ国編ではジョイボーイが「ひとつなぎの大秘宝」を残した人物であることが判明しました。ワンピースの物語の根幹に関わる「ジョイボーイ」とは何者であるのか、最新情報を元に徹底考察します。
1分でわかる!ジョイボーイの正体考察
このサイトでは「ジョイボーイ」とはワンピースの伏線を全てひとつなぎにする最重要人物であるとし、以下のように考察しています。
ジョイボーイ考察まとめ
- ジョイボーイの約束とは「全種族が人間と共存する世界」を作ることである。
- 「ひとつなぎの大秘宝」とは「ジョイボーイの残した課題」である。
- ジョイボーイが名付けた「古代兵器」とは「世界をひっくり返すための兵器」である。
- 空白の100年に生きたジョイボーイは「巨大な王国」の思想を継ぐ「Dの一族」である。
- 「ジョイボーイ」とは巨大な王国の国王の別名である。
これら「ジョイボーイ」に関する考察は、ワンピースの本編に描かれた伏線のみを繋ぎ合わせ、本編以外の情報は極力避けるように努めました。「ジョイボーイ」とは「ひとつなぎの大秘宝」の正体へと繋がるワンピースの物語の核であるため、考察も長文ですが、最後まで読んでいただければと思います。
キングの知る「ジョイボーイの伝説」とは?
ワンピース最新1036話に「ジョイボーイ」とカイドウに関する新しい情報が描かれました。
カイドウ「まだ そう思ってんのか? キング……!! おれが“ジョイボーイ”だと!! おれの作ろうとする世界は お前の願う世界か!? ウォロロロ」
キング「―伝説は伝説だ…今更 何も求めてない…」
ここまでジョイボーイが「あらゆる種族が共存する世界を作る」と考察してきました。希少種族の生き残りであるキングが願う世界がジョイボーイの作る世界であるというので、矛盾なく繋がります。
ジョイボーイの目指す世界については以下に詳しく考察しています。
CONTENTS
「ジョイボーイ」とはワンピースにおける最重要人物
「ジョイボーイ」とは
「ジョイボーイ」という名は魚人島のポーネグリフに記されており、国王ネプチューンが以下のように説明しています。
ネプチューン「ジョイボーイというのは”空白の100年”に実在した地上の人物なのじゃもん(中略)あの文章は当時この島におった”人魚姫”に宛てられたものじゃもん 魚人島との約束を破った事への謝罪文だという…」
ロビン「約束?」
ネプチューン「内容は詳しく伝わっておらんが いずれ必ずジョイボーイに代わって約束を果たしに来る者が現れる それが わしら王族に伝わる伝説」
「ジョイボーイ」とは空白の100年に実在し、魚人島との間に「何らかの約束」を交わすも果たせず、ポーネグリフに謝罪文を残した人物です。また、ワノ国編では新たに「ひとつなぎの大秘宝」を残した人物であることが判明し、元ロジャー海賊団光月おでんが「再び現れるジョイボーイ」を待っていたことが判明しています。
ジョイボーイに関して判明している情報
- 空白の100年に実在した人物である
- 人魚姫に謝罪文を残した
- ひとつなぎの大秘宝を残した人物
- 光月おでんが待つ人物
これら、ワノ国編で明らかとなった「ジョイボーイ」の伏線を元に「ジョイボーイの正体」について考察します。
なお、前回は魚人島編までに描かれた「ジョイボーイ」に関する伏線から、「ジョイボーイの約束」について以下のように考察しました。
- ジョイボーイの約束とは、「魚人・人魚族が人間と共存する世界」を作ることである。
- いずれルフィが「真に自由な世界」を実現するためレッドラインごと魚人島を破壊し、世界的な災害が起こる。
- 古代兵器ポセイドンが世界中の人々を救済することで、魚人・人魚族への差別感情を払拭し、人間との共生が実現する。
「ジョイボーイの約束」についての詳しい考察は以下をご覧ください。
ジョイボーイの残した「ひとつなぎの大秘宝」とは
ジョイボーイと「ひとつなぎの大秘宝」
ロジャー海賊団が最後の島ラフテルに到着したシーンに「ジョイボーイ」に関するセリフが描かれました。
ロジャー「ジョイボーイ おれは……!! お前と同じ時代に生まれたかった とんでもねェ宝を残しやがって…!!!」
このロジャーの発言により「ひとつなぎの大秘宝」を残したのは「ジョイボーイ」であることが確定しました。
このサイトでは「ひとつなぎの大秘宝」とは、「支配と差別のない自由な世界」であり、その実現に必要な「2つの宝」がラフテルに残されていると考察しています。
そして、魚人島編に描かれた伏線から、ジョイボーイの約束とは「魚人・人魚族が人間と共存する世界を作ること」であることが分かります。
しかし、「ひとつなぎの大秘宝」がジョイボーイの残した宝であると判明したことから、ジョイボーイが目指した世界とは「魚人・人魚族との共存」だけでなく、全ての種族が共存する世界であると考えられます。
前回考察でも「魚人島の破壊」は「世界の大きな変化」に伴って起こるとしましたが、「魚人・人魚族との共存」もまた「全種族の共存」というジョイボーイの目的の一部であったということになります。
全種族の共存→魚人・人魚族の共存
「ルフィの夢の果て」考察で、ルフィの目指す世界とビッグ・マムの夢がリンクするとしました。
ぺコムズ「それこそがママの夢なのさ!! 世界中の全種族が差別なく暮らせる国……!!! いや…この世の全てだ!!!」
そして、ビッグ・マムの目指す国は「この世の全て」であり、「ひとつなぎの大秘宝」と同一のものであると示されています。
これらのことから、ジョイボーイの目指した世界は「魚人・人魚族が人間と共存する世界」であるとした前回の考察から「全種族が共生する世界」であると訂正します。
「ひとつなぎの大秘宝」の正体については以下に詳しく考察しています。
しかし、存在しないものを「ジョイボーイが残した」とはどういうことなのでしょうか。この矛盾については、ジョイボーイと「Dの意志」「巨大な王国」との関係を考察することで明らかとなります。
ジョイボーイと「Dの一族」「巨大な王国」との関係
Dの一族とジョイボーイの関係
このサイトで考察している「ひとつなぎの大秘宝」と「Dの意志」の関係について振り返っておきます。
まず、「ひとつなぎの大秘宝=自由な世界」の実現条件として以下の3つを挙げており、それらはDの一族の思想と共通するとしています。
「ひとつなぎの大秘宝」実現条件
- 世界の破壊
- 他民族との共生
- 支配のない自由
この「自由な世界」への夜明けを実現する意志が「Dの意志」です。だからこそ、真逆の思想を持つ現在の世界の支配層「天竜人」は「Dの一族」を「神の天敵」と呼びます。
つまり、Dの意志とは、これら天竜人の思想を「Dの思想」へひっくり返して新しい世界を作り出そうとする意志であると考えられます。それこそが「世界の夜明け」です。
前回の考察で確認したように、「ジョイボーイの約束」の内容である「あらゆる種族が共存する世界を作る」とはDの一族の思想と一致しています。
よって、「ジョイボーイ」もまた、空白の100年に生きた「Dの一族」であったと考えられます。
「ジョイボーイ」とは「JOY BOY」であり、「窮地に笑う」Dの一族と非常に関係の深い人物であるとも考察しています。Dの一族に関する詳しい考察は以下をご覧ください。
ジョイボーイと「巨大な王国」
天竜人の天敵が「Dの一族」であるとすると、空白の100年に天竜人の前身「20の王国の連合軍」と敵対した「巨大な王国」と「Dの一族」の関係が見えてきます。
つまり、「Dの一族」は巨大な王国の思想を受け継ぐ者であると考えられるのです。
「王国」というからには「王」がいたはずであり、Dの一族の「支配を嫌い自由を求める」という思想から考えると、その王は「支配しない王」であったのではないでしょうか。
「支配しない王」と言えば、ルフィの理想とする「海賊王」です。
ルフィ「だからよ!! おれは”海賊王”になるんだよ!!! 偉くなりてェわけじゃねェ!!!」
一同「??」
バルトロメオ「…なんか言いてェ事が事がわかってきたべ ルフィ先輩にとっての”海賊王”の意味が 偉いんでねぐて”自由”……!?」
海賊王=「支配しない王」がかつての「巨大な王国の王」であったとすると、「ジョイボーイの約束を果たす者」ルフィがそれを目指していることから、ジョイボーイこそが「巨大な王国の最後の王」であったと考えられます。
↑目指す
ルフィ=ジョイボーイの約束を果たす者
「巨大な王国」がどのような王国であったかについては以下に詳しく考察しています。
しかし、ポーネグリフに残された「ジョイボーイの謝罪文」から、ジョイボーイが「自由な世界」を実現するという約束を果たせなかったと分かるので、ジョイボーイが残した「宝」とは「ジョイボーイの目指した世界」であり、「ジョイボーイの残した課題」とも言えます。
- ジョイボーイが残した宝とは「支配と差別のない自由な世界」である。
- ジョイボーイは空白の100年に生きた「Dの一族」である。
- 「Dの一族」は「巨大な王国」の思想を継ぐ者である。
- ジョイボーイとは「巨大な王国の最後の王」であった。
- 「ひとつなぎの大秘宝」とは「ジョイボーイの残した課題」である。
ジョイボーイと「古代兵器」
ジョイボーイと「古代兵器」
「ジョイボーイの約束」について、リュウグウ王国ネプチューン王は以下のように発言しています。
ネプチューン「遥か数百年の昔の話…我々の遠い先祖達が試みて…!! 無念のまま潰えた夢そのものなのじゃもん」
「自由な世界」を実現するという約束を果たせなかったジョイボーイですが、「試みて無念のまま潰えた夢」とあることから、空白の100年にジョイボーイらは「自由な世界」を実現しようと動いたことが分かります。
だとすれば、ジョイボーイは「自由な世界」の実現方法を何らかの形で残したのではないでしょうか。
レイリー「ネプチューン おれ達が欲しいのは それを『兵器』と名付けた奴らが この世に残した莫大な”お宝”だ!!」
このセリフから、「海王類を従える」というしらほしの能力を「兵器」と名付けたのはジョイボーイであったことが判明しています。
古代兵器ポセイドンの用途は「他種族との共生」を果たすための兵器であると前回考察しました。そして、神の名を持つ3つの古代兵器は「世界をひっくり返すための兵器」であると考察しています。
つまり、古代兵器は「支配と差別のない自由な世界」の実現のためにジョイボーイら「巨大な王国」の人々がポーネグリフに記したものということになります。
それぞれの古代兵器は「巨大な王国の思想」と以下のように対応します。
「ひとつなぎの大秘宝」実現条件
- 世界の破壊:古代兵器プルトン
- 他種族との共生:古代兵器ポセイドン
- 支配から自由へ:古代兵器ウラヌス
詳しくは「古代兵器考察編」に考察しています。
ジョイボーイと太陽の神ニカとウラヌス
このサイトでは古代兵器ポセイドンの能力を導く人物が「古代兵器ウラヌス」であり、その正体をモンキー・D・ルフィであると考察しています。
古代兵器ウラヌスの正体
古代兵器ウラヌスとはルフィの「覇王色の覇気」に関係する「人を引きつける」能力であり、民衆を支配のない自由な世界へ導く力である。また、天をも味方につけ、天候を操る機能も持つ。
だとすれば、ジョイボーイもまた、空白の100年に存在した古代兵器ウラヌスであった可能性があります。詳しくは以下の記事に考察しています。
ワノ国編で新たに「太陽の神ニカ」というワードが登場しました。
フーズ・フー「太古の昔に…奴隷達が いつか自分達を救ってくれると信じた伝説の戦士だそうだ!! 太陽の神『ニカ』!!! 実在したのか妄想か…人を笑わせ 苦悩から解放してくれる戦士」
ジョイボーイとは「JOY BOY」であり、「窮地に笑う」Dの一族と関係が深いとしました。だとすると、「人を笑わせる」という「太陽の神ニカ」もジョイボーイに関係すると考えられます。
また、「太陽の神ニカ」とは「天空神」の名を持つ古代兵器ウラノスと関係する可能性があり、「支配からの解放」という部分も共通します。
これらのことから、やはり古代兵器ウラヌスと「ジョイボーイ」は同じものを表していると考えられます。
- ジョイボーイが名付けた「古代兵器」とは「世界をひっくり返すための兵器」である。
- ジョイボーイと古代兵器ウラヌスは同一の意味である。
ここまでのジョイボーイに関する考察を図にまとめます。
「ワンピース=自由な世界」とはジョイボーイが残した宝であり、その実現方法がジョイボーイが受け継がせた思想「Dの意志」である。そして、ジョイボーイが「兵器」と名付けた能力を使用することによってそれを実現する…となれば、ワンピースの全ての謎をジョーボーイが握っているといっても過言ではありません。
ここからは、ワノ国編で描かれた「ジョイボーイ」に関する新しい情報を元にさらにジョイボーイの正体について考察します。
「ジョイボーイ」は名前ではなく王の称号
ジョイボーイと「2人の王」の関係
「ジョイボーイの約束を果たしに来る人物」について、ワンピース本編に新しい情報が描かれました。ワノ国編での回想部分、ロジャーがラフテルへ到達した後のシーンです。
海王類「生まれるよ……!! ぼく達の王が生まれるよ…遠い海でも生まれるね………2人の王がまた出会う日をクジラ達も喜んでいる ぼくらもずーっと待っていた あと少し…今度はきっとうまくいく」
海王類の言う「ぼく達の王」とは古代兵器ポセイドンの能力を持つしらほしでした。
そして、しらほしと「遠い海で生まれるもう一人の王」が出会う時、「今度はきっとうまくいく」とあるので、その内容とは、前回考察した「過去に果たせなかったジョイボーイの約束」であると分かります。
王族に伝わる伝説
ジョイボーイの約束:ポセイドン+約束を果たしに来る者
海王類の会話
ジョイボーイの約束:ポセイドン+もう一人の王
だとすると、「もう一人の王」とは「ジョイボーイに代わって約束を果たしに来る者」=「麦わらのルフィ」であるということになります。
「ジョイボーイに代わって約束を果たしに来る者」が「王」であるならば、上で考察したようにかつてのジョイボーイもやはり「王」であったと考えられます。
いつか「ジョイボーイ」が現れる日
さらに、ワノ国編では「ジョイボーイ」に関するこれまでの情報を覆すような発言がありました。
光月おでん「今まではこの”鎖国”に意味があった…!! ーだがいつか ”ジョイボーイ”が現れる日までに“開国”せねば……!!!」
光月おでんのセリフに「いつか”ジョイボーイ”が現れる日まで」とあり、過去の人物であるとされてきたこれまでの「ジョイボーイ」の正体と矛盾する内容が描かれています。
この「ジョイボーイ」という名の矛盾について考えてみます。
光月おでんは「ある人物」がワノ国を訪れるのを待っており、その人物に協力するためにワノ国を開国しようとしました。よって、いつか現れる「ジョイボーイ」と「ある人物」とは同じ人物を指していると考えてよいでしょう。
光月おでん「『ワノ国』は いや…世界は ある人物を待っている………!! その者が800年の時を超え現れた時迎え入れ協力できる国でなきゃならぬ」
このセリフと同じく、「光月家」や「世界」が待っている人物といえば、ミンク族ペドロも同じ内容の発言をしています。
ペドロ「おれは思う ルフィ達こそが数百年間 我ら一族と”光月家”が待ち続けた世界を夜明けへと導く者達だ!!」
ペドロの発言は「世界を夜明けへと導く者達」と複数なので「麦わらの一味」を指していますが、光月おでんのセリフは「ある人物」と一人を指しているので、その人物とはやはり、「麦わらのルフィ」であるということになります。
光月おでんが待っている人物「ジョイボーイ」が「麦わらのルフィ」であるならば、「ジョイボーイ」とは過去に実在した人物の名前ではなく、「古代兵器ポセイドン」のように受け継がれる名前であると考えられます。
だとすると、「ジョイボーイ」とは「夜明けを起こす者」の称号のようなものなのでしょうか。
しかし、ネプチューンのセリフには明確に「ジョイボーイに代わって約束を果たしに来る者」とあるので、「夜明けを起こす者」の称号とすると意味が通らなくなります。
そこで、ジョイボーイが「巨大な王国」の王の称号であったとすれば、「巨大な王国」は既に滅亡しているので、「いつか巨大な王国の王に代わって約束を果たしに来る者」とすると、意味が通ります。
王の称号「ジョイボーイ」
先ほどの「海王類の会話」に当てはめると、2人の関係がすっきりまとまります。
未来:海王類の王+巨大な王国の王
巨大な王国考察では、「巨大な王国」とは真に自由な王国であり、ルフィの理想の王が「巨大な王国の王」であるとしました。
アラバスタ編でルフィが「王」について語ったシーンがあります。
ルフィ「おれ達がこの島に来た時には もうとっくになかったぞ………!! あいつの国なんて………!!(中略)ここが本当にあいつの国なら もっと…!!! 笑ってられるはずだ!!!!」
このセリフから、ルフィにとって「王」とは自由であるだけでなく、「笑う」存在であることが分かります。
だとすると、ジョイボーイの「JOY」とは、そんな「自由に笑う王」の姿を表す言葉、「巨大な王国」の王に代々受け継がれる王の別名・称号であると考えられるのです。
しかし、「巨大な王」の存在を知らないはずのルフィがなぜそのような思想を持っているのでしょうか。
さらに、光月おでんのセリフの意味を「ジョイボーイの魂を継ぐ者」と考えて考察していきます。
ジョイボーイの「魂」を継ぐDの一族
この部分については「Dの意志考察編」で詳しく書いていますが、Dの一族は過去に生きたDの一族の「意志」と共に「魂」を受け継いでいると考察しています。
つまり、光月おでんのセリフ「いつか”ジョイボーイ”が現れる日まで」とは、正しくは「ジョイボーイの魂を継ぐ者が現れる日まで」という意味であると考えられます。そのために「“”」マークが付けられているのではないでしょうか。
「Dの一族考察編」では「ルフィがロジャーの魂を受け継いでいる」と考察しています。
闇の意志:???→ロックス→ティーチ
また、ワノ国編ではDの一族に関係すると見られる光月おでんが死に際に以下のようなセリフを残しました。
カイドウ「見事な死に様と お前は語り継がれる」
光月おでん「忘れてくれて構わねェ おれの魂は生きて行く!!」
ワノ国の光月家がDの一族であるかは確定していませんが、Dの一族と非常に関係が深い一族であるのは確かです。この部分についても「Dの一族考察編」で考察しています。
また、魚人島を出る際、ジョイボーイと重ねるようにルフィが人魚姫しらほしと「約束」を交わしました。その際、ブルックが以下のように発言しています。
ブルック「ルフィさん!! 約束とは死んでも守るものですよ!?」
この「死んでも守る」とは、一度死んで蘇ったブルックであるからこその発言であり、約束を果たせず死んだジョイボーイを意識した発言であると考えます。約束を果たせなかった「ジョイボーイの魂」を受け継ぐ者がいるはずです。
- 海王類の待つ「もう一人の王」とは「ジョイボーイの約束を果たしに来る者」=「麦わらのルフィ」である。
- 「ジョイボーイ」とは巨大な王国の国王の別名である。
- 光月おでんの言葉「ジョイボーイが現れる日まで」とは、「魂を継ぐ者が現れる日まで」という意味である。
だとすると、ルフィが受け継ぐ「麦わら帽子」と「ジョイボーイ」にも何かしらの関係があるのではないでしょうか。
マリージョアの国宝「麦わら帽子」はジョイボーイのもの?
ルフィに受け継がれた「麦わら帽子」
Dの意志考察編ではロジャーの「魂」をルフィが受け継いでいると考察しました。
だとすると、同じくロジャーからシャンクスを経由して受け継いだ「麦わら帽子」もジョイボーイから受け継がれてきたものなのではないでしょうか。
麦わら帽子:???→…→ロジャー→ルフィ
つまり、シャンクスはフーシャ村で出会った幼少期のルフィが「ロジャーの魂を受け継ぐ者」であると確信して、麦わら帽子をルフィに託したと考えられます。
レイリーが「麦わら帽子と左腕が失くなった理由」をシャンクスに尋ねた際、シャンクスは以下のように答えています。
シャンクス「レイリーさんおれァ本当に驚いたよ!!! “東の海”に…!! ロジャー船長と同じ事を言うガキがいたんだ……!! 船長のあの言葉を…!!!」
「ロジャーと同じあの言葉」については以前考察していますが、シャンクスはロジャーと同じ何かを感じ取ったからこそ「麦わら帽子」をルフィに託しているのです。
麦わら帽子自体が800年前から受け継がれたとは考えにくいですが、「何らかの象徴」であった可能性はあります。
先ほど取り上げたしらほしとの約束のシーンもタイトルは「ヒーローの帽子」、同じワンピース653話で新世界突入の際、シャンクスの「この帽子をお前に預ける」というシーンも描かれています。
さらに、麦わら帽子が「ジョイボーイ」と繋がるという伏線を探ってみましょう。
マダムシャーリーの予言と麦わら帽子
魚人島での「マダム・シャーリーの予言」をもう一度引用します。
マダム・シャーリー「麦わら帽子を被った人間…!! “麦わらのルフィ”によって………彼の手によって…!!! “魚人島”は滅ぼされる!!!」
この「魚人島を滅ぼす」という予言が「ジョイボーイの約束」と繋がることは先ほど考察しましたが、わざわざ、「麦わら帽子を被った人間」としていることに違和感を感じます。
もしかしたら、過去に人魚姫の元を訪れたジョイボーイも「麦わら帽子を被った人間」だったのではないでしょうか。
「マリージョアの国宝」と麦わら帽子
「麦わら帽子」が特別な意味を持つ描写としては、もう一つ「マリージョアの国宝」に関係すると思われる「冷凍された麦わら帽子」の存在があります(90巻906話)。
「国宝」といえば、魚人島でも「エネルギーステロイド」という「老化」の副作用を持つ丸薬が「国宝」とされていました。「マリージョアの国宝」については、ドレスローザ編でのドフラミンゴのセリフから「不老手術」と関係がありそうです。
「老化」と「不老」、さらにレッドラインを挟んで正反対の場所に位置する場所に存在する「城」に存在した「国宝」とは明らかに対応関係にあります。
↕︎ レッドライン
リュウグウ城老化に関する「国宝」
よって、魚人島と関係の深い「ジョイボーイ」と「マリージョアの国宝」との間にも何かしらの関係がある可能性があります。
このマリージョアの「麦わら帽子」の正体は明かされていませんが、天竜人の先祖である王達が空白の100年が明けた直後にマリージョアに移り住んだことを考えると、ジョイボーイが被っていた帽子なのかもしれません。
光月おでんとトキの会話の「ム」
光月おでんが、800年前から時を超えてやってきた妻トキに対して、「ジョイボーイの約束を果たしに来る者」について話す部分にも意味深なセリフが描かれています。
光月おでん「トキ お前も…探しに来たんじゃないのか? 800年の昔から 世界がひっくり返る日を………ならば20年先へ飛べ…!! お前の望む…ム」
トキ「今日は夕飯なしよ おでんさん(中略)ひどい事言われたもん!!!」
文脈から20年後に現れる「世界をひっくり返す人物」について語っているセリフです。
おでんの言葉はトキによって遮られますが、トキが怒っていることから「お前の望む」に続くのは、先ほどのおでんのセリフに登場した「20年後に現れるある人物」に関するセリフと考えてよいでしょう。
「20年後に現れる人物」とは「ジョイボーイの約束を果たしに来る人物」であり、ここまでの考察でその正体を「麦わらのルフィ」であるとしました。
よって、ここでもマダム・シャーリーの予言と同じく「麦わら帽子をかぶった人物」と光月おでんは言おうとしたのではないでしょうか。
「夜明け」と「麦わら帽子」と「太陽」
先ほど、光月おでんのセリフから「いつか現れる”ジョイボーイ”」とは「夜明けへ導く者」であると考察しました。そして、「夜明け」に現れるのは「太陽」です。
日差しを避ける麦わら帽子とはまさに「太陽」を象徴するアイテムです。
魚人島ではジョイボーイの約束「地上への移住」は「タイヨウの下へ」と表現されました。
これらの根拠から、ジョイボーイと「麦わら帽子」とには多くの伏線が見られるため、ジョーボーイはかつて、麦わら帽子をかぶっていた人物であると考察します。
- ジョイボーイとはかつて「麦わら帽子」を被っていた人物である。
- ジョイボーイの麦わら帽子は「マリージョアの国宝」としてパンゲア城に保存されている可能性がある。
ジョイボーイに関連する「太陽の神ニカ」について、以下の考察に追記しました。
まとめ:ジョイボーイの正体とは
ワンピース最重要伏線である「ジョイボーイの正体」について考察しました。前回までの考察と合わせてまとめます。
ジョイボーイの「謝罪文」と「約束」
- ジョイボーイの約束とは「全種族が人間と共存する世界」を作ることである。
- ジョイボーイに代わって「約束を果たしに来る者」とはルフィである。
- いずれルフィが「真に自由な世界」を実現するためレッドラインごと魚人島を破壊し、世界的な災害が起こる。
- 古代兵器ポセイドンが世界中の人々を救済することで、魚人・人魚族への差別感情を払拭し、人間との共生が実現する。
- 海王類の待つ「もう一人の王」とは「麦わらのルフィ」である。
ジョイボーイと「ひとつなぎの大秘宝」
- ジョイボーイが残した宝とは「支配と差別のない自由な世界」である。
- 「ひとつなぎの大秘宝」とは「ジョイボーイの残した課題」である。
- ジョイボーイが名付けた「古代兵器」とは「世界をひっくり返すための兵器」である。
ジョイボーイとDの一族・巨大な王国関連
- ジョイボーイは空白の100年に生きた「Dの一族」である。
- 「Dの一族」は「巨大な王国」の思想を継ぐ者である。
- ジョイボーイとは「巨大な王国の最後の王」である。
- 「ジョイボーイ」とは巨大な王国の国王の別名である。
- 光月おでんの言葉「ジョイボーイが現れる日まで」とは、「魂を継ぐ者が現れる日まで」という意味である。
ジョイボーイと「麦わら帽子」
- ジョイボーイとはかつて「麦わら帽子」を被っていた人物である。
- ジョイボーイの麦わら帽子は「マリージョアの国宝」としてパンゲア城に保存されている。
番外編:「ジョイボーイ」の名前の由来と聖地マリージョア
「ジョイボーイ(JOY BOY)」の名前の由来
「ジョイボーイ」という名前についても考えてみましょう。「ジョイボーイ」は海外版ワンピースでは「JOY BOY」とされています。
「JOY」とは「喜び」を意味する語であり、「ENJOY=楽しむ」「JOYFUL=嬉しい」などの単語を作る語根となっています。(正確には語根は「joie」)
よって、ジョイボーイ は「死に際に笑う」「苦しい時ほど笑う」という「Dの一族」に関係の深い人物であると考えられます。
また、ジョイボーイが宝を残したグランドライン最後の島にロジャーが「ラフテル=笑い話」と名付けた理由もジョイボーイと「笑い」が関係することを表しています。
ここから考えられるのは、Dの一族に受け継がれるのは「ジョイボーイの意志」である可能性です。
結論から言ってしまえば、「Dの思想」と「ジョイボーイの約束」とは同じ内容であるので、「Dの意志」=「ジョイボーイの意志」と考えてよいでしょう。根拠はこの考察で示しています。
よって、「ジョイボーイ」の正体については、「Dの一族」と「笑顔」というのが非常に重要であることが分かります。
聖地マリージョアと「ジョイボーイ」
ちなみに、聖地マリージョアのスペルは「MARY GEOISE」ですが、特にフランス語圏では「Marie Joie」とされることがあります。
フランス語の「Joie」は「喜び」を意味し、英語の「joy」の語源でもあるので、「聖地マリージョア」もまた「ジョイボーイ」に関係する可能性があります。
もともと、英語圏でも聖地マリージョアのスペルは「marijoa」とされていましたが、世界会議編から「MARY GEOISE」の綴りとなっています。
ラフテルも初めは「Raftel」であった綴りが「LAUGH TALE」と改められました。
ロジャーは「LAUGH TALE(笑い話)」の意味で名付けましたが、ロジャーの「D」が隠されたように、世界政府によって「Raftel」と情報操作された可能性もあります。
だとすると、マリージョアも「Marie Joie」だったものが「MARY GEOISE」に改められ、「D」に関係する「Joie(喜び)」の部分が隠されたのではないでしょうか。
そして、聖地マリージョアと「ジョイボーイ」に繋がりがあるとすれば、「マリージョアの国宝」と関係する冷凍保存された「麦わら帽子」が意味を持ちます。「麦わら帽子」とジョイボーイに関しては第6章に考察しました。
「ジョイボーイ」に関するよくある疑問
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ジョイボーイの正体とは
空の100年に実在した地上の人物。魚人島と何らかの約束を交わすも果たせず、いずれ「ジョイボーイ」に代わり約束を果たしにくる者が現れるとされている。また、最後の島ラフテルに「莫大な財宝」を残した人物であり、ワノ国の光月おでんは「ジョイボーイ」が再び現れるのを待っていたことが判明しています。
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ジョイボーイの約束と謝罪文の内容とは
「ジョイボーイの約束」とはリュウグウ王国元王妃オトヒメの夢見る世界と同じであるとされていることから、「全種族が差別されることなく共存する世界」を作るという約束である。ジョイボーイは空白の100年にその世界を作ろうと試みるも果たせず、魚人島のポーネグリフに謝罪文を残した。
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ジョイボーイとはルフィであるか
マダム・シャーリーの予言、しらほしとの約束、さらに、ジョイボーイと同じく世界が待つ「夜明けを起こす人物」という共通点から、未来に約束を果たしに現れる「ジョイボーイ」とはモンキー・D・ルフィであると考えられます。
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ジョイボーイと「Dの一族」との関係は?
ジョイボーイの名前に「JOY」とあることから、窮地に笑う「Dの一族」と共通点があり、Dの受け継ぐ思想と「ジョイボーイ の約束」の内容が一致していることから、ジョイボーイとはDの一族であり、空白の100年における巨大な王国の最後の王であったと考えられます。
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マリージョアの麦わら帽子はジョイボーイのものであるか?
ジョイボーイの思想がDの一族に受け継がれていることから、ロジャー、ルフィに受け継がれる麦わら帽子もまたジョイボーイに関係するアイテムであると考えられ、空白の100年における重要地点マリージョアに保管された麦わら帽子もジョイボーイに関係するものであると考えられます。
2人の王
ルフィと黒髭?
まさにジョイボーイが残したワンピースは、世界の平和への導く方法で、「課題」なんだと思います!!
だから白ひげは黒髭にお前じゃないと言ったり、ロジャーはとんでもねぇもんと言ったり。
ラフテルのスペル同様、実は ONE PIECE=ONE PEACE
なのかもしれないですね!!
やばん
確かにナミの故郷であるココヤシ村でも魚人優勢の象徴だったアーロンパークを全壊したもんな。マリージョアも全壊させるだろうな。
最近ふと思ったのが、アニメだけのお話、アピスと龍爺のエピソードを観て、
アピス=a piece ?→ ONE PIECE ?!
アピスが鍵を握ってたり…(_ _).。o○
すごいわかりやすかった・・・。
ちょっとカイドウ戦飽きてきたけど
また楽しみになってきた。
「笑い話」なら「LAUGH TALE」ではないでしょうか
takaさん
ご指摘ありがとうございます。修正しました。
マリージョアの麦わら帽子は、ジョイボーイが人魚姫にプレゼントしようとしていたものなのでは?太陽の下を、麦わら帽子をかぶって、”ワンピース”を着て、一緒に散歩しようよ、そんな約束を結んだとか。ラフテルに残された財宝は人魚姫が着るための”ワンピース”。ロジャーの「早過ぎた」も何となく頷ける。
難しい
考察が素晴らしい(*´ ω`*)
「真に自由な差別のない世界」は結構だけど現状ワンピースって
血筋物語と言っても過言ではないほど血統に偏った漫画になっている
(少年漫画自体そういう傾向がある、因縁めいたものを付け加えると
物語に厚み=ドラマ性が増すという考えなのだろう) それと
「性格は容姿を表す」という考えの下で性格の悪い天竜人は
世間一般で醜いと認識される容姿で描かれている
作者自体に少なからず差別感情があるのに差別のない世界を
描くのは無理があるように思えるし自由な世界というのは
弱肉強食社会と表裏一体の関係にある
自由に付随するネガティブ要素
・アノミー、無秩序、個人主義(自己中心・無関心)
自由に付随するポジティブ要素
・個性尊重、多様性、開放性(開かれた社会)
弱い立場に置かれた個人にとってどちらが
良いかは難しいところではあるし「右か左か」という
二元論で限定せずに中間(中庸)もあって良い
何にせよ行き過ぎた自由も行き過ぎた不自由も
個人を豊かにはしない 「世は大海賊”時代”」
なのだから何れこの時代は終わりを迎えるだろう
その先で描かれるものを見たい
ジョイボーイが敵対する相手だったら、その人がかぶっていた麦わら帽子を保存するのかな?
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